外国製ヘルメットを海外から購入する、その前に

外国製ヘルメットを購入する場合、まず最初に知っておくべき事は2つ。

一つはサイズ。

外国製=欧米製のヘルメットは欧米人の頭の形にフィットするように作られてるので、日本人の頭にはフィットしない場合が有る。
具体的には両サイドで合わせたら前後がブカブカで走行中にズレる。
両サイドで合わせたらキッツキツで被ってられない。
って、そんな具合に。

ただ、これはそれぞれの頭の形次第なので、一概に日本人だからと合うか合わないかってのは被ってみなきゃ解らない。
足の幅の広い人は頭の幅も広い、のかどうかは何とも言えない。
結局、被ってみなきゃ何とも。

ちなみに私が今まで被ったヘルメットで、最高のフィット感を感じたのはアメリカのショップで被ったAGVだったりする。
とある研修で訪れたアメリカで、そこで知り合ったモトクロスライダーに連れられて行ったモーターサイクルサプライショップ。
モトクロッサーが2台積めるトレーラーが普通に売られてたり、何故だか毛皮が貼られたYZ250用の外装が並んでたり、同じく何故だか毛皮が貼られたネプチューンマンが履いてそうなモトクロスブーツが売られてたりと、カルチャーの大きな違いに少なからずのショックを覚えた私だったが、この日なんとなく被ったAGVのフィット感にも少なからずのショックを覚えた。
ガキッチョの頃からアライ一筋な私としては些か不都合な真実だったけれど、絶妙なフィット感にちょっと驚いた。
やだ、ショップでフィッティング出したアライよりイイじゃん。

だからと言って脱アライしたりはしないけれど、当時からAGVのサイズと私の頭の形が変わって無いのなら、AGVのオリジナルモデルが私には最適なのかも知れない。
だから、日本人は日本製、或いは欧米モデルのアジアンモデルがジャストフィットするのだ!とは言い切れない。
結局被ってみなきゃ解らんもんだよ。

あ、そうそう
AGVはなんかでっかいんだよ。
アライもAGVもファイバーシェルのサイズは3種類なんだけど、設計上の思想の違いなのか、なんかでかい。
ポケバイキッズみたいな感じに成っちゃう。
181cmのロッシさんが被ると非常にバランス良いのだけど、165cmにも満たない私では少々バランスは悪い。
まぁ、そんなの誰も見ちゃいないんだけどね。
それでも自分で自分の姿は気に成るもんだよ。
自分の事は自分が一番気に成るもんだ。

 

もう一つが法的、或いはレギュレーションの問題。

ナップスやライコで売られてるモノは当たり前だけど法的にクリアされているが、ネット通販ではその辺がちょっと曖昧なモノも有る。
何度も書いてるけれど、PSCマークの無い乗車用ヘルメットの販売は禁止されている。
これは通常店舗やネットショップだけで無く、ヤフオクやメルカリ、或いは場合によっては友達に直接売る場合も含まれる。
PSCマークの無い乗車用ヘルメットは、誰だろうとどんな形態だろうと売っちゃダメなのだ。

乗車用で無いなら別に売っても構わないので、飾りとかオブジェとか洗面器とかって名目で売る分には構わない。
でも、やってる事は極めてグレーなので、そんな店から買う事自体に意見が分かれるかも。

なお、購入する分には自由。
わいせつ図画と同じく購入する分には自由。
だから売ってる側は気にする必要有るけれど、買う側からしたら製品そのものを気にする必要は無い。
日本の規格を通して無くても、海外の規格を通してる真っ当なヘルメットなら使用に問題なんて無いのだから。
ただ、その手のあやふやな店で売ってるAGVは本物か?って疑念も有るので、ちょっと考えた方が良いかも知れない。

え?AGVの偽物なんて有るのかって?

世の中にはこれが11,000円+送料572円~で売られてる魔窟が存在するんだよ。
AGVの偽物なんて掃いて捨てる程に有る。
あ、PSC/SGって書いてるマークは貼ってるけど、貼ってるだけじゃ意味は無いぞ。
武器は装備しなきゃ意味無いのと同じく、規格は通さなきゃ意味は無いんだよ。

https://ja.aliexpress.com/item/4000760809945.html

昔のパチモンはこんな具合に可愛気が有ったんだけど、今の偽物は写真で見分けるのはちょっと難しい。
上のマルケス(偽)が70000円でヤフオクやネットショップで売ってたら見分けれる自信は無い。
どう注意したら良いのかと聞かれても返答には困ってしまうけれど、ともかく皆様ご注意を。

 

 

ヘルメットの使用に関しては、道路交通法では以下の様に定められている。

(乗車用ヘルメット)
第九条の五 法第七十一条の四第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は、次の各号に定めるとおりとする。
 
一 左右、上下の視野が十分とれること。
二 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
三 著しく聴力を損ねない構造であること。
四 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
五 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
六 重量が二キログラム以下であること。
七 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。

あご紐の無い野球用ヘルメットや、あご紐は有るけれど2kgを超える鉄兜は不可。
宇宙飛行士のヘルメットも聴力を著しく損ねるので不可。
ダンボール紙で出来てたり、トゲトゲが付いてるのも不可。
でも、野球用ヘルメットでも紐で結んでおけばオッケーな気はしないでも無い。

別に緩衝材の厚みが決まってる訳でも、何らかの規格を通してる必要が有る訳でも無い。
○○のタイプのヘルメットは125cc以下はオッケーよ、なんて規定も道路交通法には無いので、別に工事用ヘルメットでVMaxに乗った所で捕まる事は無い。
捕まったら、そりゃスマン事したねと、心の底から謝っておくわ。
ああ、そらスマンかった。

だから、PSCマークの着いてない輸入ヘルメットを日本国内で購入するのも日本国内で使用するのも自由。
ただし、サーキットを走行する場合は少々問題は出て来る可能性も有る。

レースには使用できる装備は決められてるので、MFJが公開してるリストに無いヘルメットやレーシングスーツは使用できない。
例え同じヘルメットがMotoGPで使われてたとしても、それがMFJが認めてないとレースでは使用できない。

スポーツ走行では通常はそこまで言われる事は無いだろうけど、主催者が居る走行会なら平行輸入品はダメよと言われる可能性も有りえる。
だからそんな人は、変な事すると何かと面倒なので、素直にMFJ公認モデルを使うのが良いかと。

http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/authorized/kounin_buhin.html

http://www.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule/pdf/2020/kounin-sharyou.pdf

 

 

1.頭がデカいのを自覚してる人

2.MFJの公認が無いとマズい人

3.アフターサービスが重要だと考える人

4.数万円の差なんて何も気にしない人

それらの人は素直に日本国内モデルを購入するのが良い。
AGVやSUOMY等にはアジアンフィットモデルが有るので、そっちを選ぶのが最適な選択だ。

そうでは無い場合は、海外通販でちょっとだけ幸せに成れる可能性が有る。
必ず、とは言わないけれども。

 

 

さて、ではどこから買えば良いのだろう?
幾つかのヘルメットを、幾つかの海外サイトで値段を調べてみた。

送料、輸入消費税、各種手数料は含まず。
カラーリングによっても価格差は有るのでその辺もまぁまぁ大体。
この記事を書いてる時点での価格。
まぁ要するに参考価格だと言う事をお一つって事で。

Suomy Sr SPORTS 

SUOMYのレーシングヘルメット。
カーボン+ケブラーシェルの、SUOMYではセカンドグレードに当たるモデル。
日本国内モデルはMFJ公認なので日本国内レースにも使える。

日本国内モデル Amazon.com FC-Moto motard INN motostorm
\75,600 \53,176 ¥48,922 \40,966

 

 

AGV Pista GP RR Soleluna 

AGVのフラッグシップモデル。
1万円台から購入できるモノから数多くラインナップされるAGVの最高峰がコレ。
ロッシ様ファンは全モデルコンプリートしょう。

日本国内モデル Amazon.com FC-Moto motard INN motostorm
¥247,500 \161,022 ¥177,938 \177,592 ¥143,268

 

 

Shark Race-r Pro Gp Fim Racing

2019年に改定されたFIM公認第一号と成ったのがこれ。
真っ黒けで愛想無いのが嫌な人は、似たようなスペックのRace-r Proカーボンをどうぞ。

日本国内モデル Amazon.com FC-Moto motard INN motostorm
¥120,000 ¥90,070 ¥86,397 ¥80,587

 

 

日本国内モデルは、PSCマーク付きの国内正規流通モデル。
AGVとSUOMYの日本国内モデルはアジアンフィット仕様なので、ヨーロッパモデルが合わない人にお勧めの仕様

Amazon.comは米アマゾンを参照。
UKアマゾンやイタリアアマゾンはまたラインナップや値段は違うけれど、キリ無いので今回は米アマゾン。

FC-Moto(ドイツ)、motard INN(スペイン)、motostorm(イタリア)
日本へ配送してくれる海外のネットショップは他にも色々と有るけれど、日本語+日本円でショッピング出来るこれらのサイトはとても敷居が低いのでお勧め。

https://www.fc-moto.de/

https://www.motardinn.com/

https://www.motostorm.it/

 

送料はまちまちなので、要確認。
でも意外な程にそれ程高くも無かったりする。
なお、バイク用品は基本的に関税は掛からないので、ヘルメットは関税を請求されることは無い。
だがウエアと同時に購入した際、名目に衣類とだけ表記されたら関税が掛かる可能性も有る

基本的に関税は掛からないが、1万円を超えると輸入消費税は必要なので、荷物を受け取った際に現金で支払う必要が有る。
課税対象は購入価格の60%と決まってるので、凄くざっくりした計算では10万円買ったら6千円程の消費税が徴収されると考えておけば良いかと。
その辺についてはこちらをご参照を。
8%時代の記事だけど。

ZONDAの明細

 

 

海外サイトで買い物するには何かと面倒事もリスクも付いて来る。
特に昨今のコロナ騒動で荷物の配送も滞り気味なので、何時もより余計に時間を食ってしまう可能性も有る。
ちなみに先々月に魔窟から買った荷物はまだ届かなかったりするんだよ。
一体、私の荷物は何処を彷徨ってんだか。
あ、ヘルメットは買ってないよ。
流石に魔窟でヘルメットは買わんわ。

 

その辺のリスクや待ち時間は嫌、フィット感も大事、何より全てにおいてリーガルなのが良い。
とお考えなら日本国内モデルを正規店から買おう。
それが最善の道だ。

でもそうでは無い人は、諸般のモロモロをしっかり理解した上で信頼の置ける海外ショップからのお買い物をどうぞ。
なお、繰り返しに成るけれど、海外のショップからヘルメット買ったけどサイズが合わなかったからとヤフオクで転売したら罪に成るので、その辺は重々ご理解の程を。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy