実録、もしも小指が折れたなら(後編)

2023年6月20日

バイクで転倒すると、時に骨を折ることは珍しくない。
腕だったり鎖骨だったり足だったり。
それが何処の箇所で有ろうと骨折は大きな怪我だが、それでも頚椎や頭骨の命に直結する部分や、大腿骨なんかの太い骨に比べると、小指の骨折はまだ軽微だと言える。
たかが小指の骨折だと。

だが、そのたかが小指でも、折れたらこれが中々に大変なんだよ。
そりゃもう大変なんだよ。
ってお話の続き。

 

治療期間と抜釘(ばってい)

小学生なら3週間~
若者なら4週間~
おじさんなら6週間~

これがピンを抜く=抜釘(ばってい)の目安。
ちなみに今回は6週間コース。
おじさんは治りが遅いから大変だ。

骨折の状態や個人差が有るので、週に一度のレントゲン撮影で判断される。
抜釘が早すぎたら外れやすいし、逆に固定が長すぎたらその後の動きが悪くなる。
その判断は中々難しい。

抜釘は、診察室の端っこで行う。
麻酔も無く、プライヤーで引っこ抜くだけ。
痛みは多少有るけれど実は意外と大した事は無い。
でもピンを抜く際のゴリゴリゴリゴリって感触は凄く解るらしい。
文字通り骨伝導して全身に響き渡るのが凄く怖い。
超怖い。
でも超怖い割りに意外と痛く無い。
一瞬で終わるから辛抱しよう。

こんなピンが刺さってる。
よりによって両方折ったのでピンは合計4本だ。
でもこれにて焼き鳥生活は終わり。
お勤めご苦労様。

 

リハビリ

ピンが抜けたら、指を曲げたり伸ばしたり、関節をクキクキしたりと、リハビリを理学療法士の下で行う。
期間は気の済むまで。
まぁ保険適用される期間は決まってるので、何時までもって訳には行かないけれども。

手は使ってるうちに回復するので、日常生活が送れるくらいに回復したなら別に通わなくても構わない。
通院頻度も含めてその辺も要相談。

 

完治

ピンが抜けても骨折箇所が完全に治るのはおよそ90日~と言われているので、それまでの間は余り調子乗らないよう、手に優しい生き方を心がけよう。
6週間も指を固定してたら腕が見て解る程度に細く成るけれど、ダンベルカールなんかしたらまたパコって外れる可能性も有るので無理は禁物だ。
でも動かさないのもまた問題有るので、手に優しくも毎日手を使う事を心がけよう。

腕、特に前腕は6週間使わないとかなり細っそりするけれど、仕方ないのでゆっくり焦らず回復していこう。

 

治療費

気に成る治療費は、日帰り手術なら保険3割適用で1~2万円程度。
手術の準備~麻酔や薬剤一式まで含んでこれくらいと、手術費用はそれ程高くは無い。

全身麻酔で入院するなら、それにプラス数万円。
部屋代は病院によって異なるので何とも言えないな。

手術後の通院での医療費は、毎日~週に数度程度行う消毒~ガーゼ交換~シーネの再固定が数百円。
週に一度のレントゲンはそれにプラス1500円程度。
抜釘はプラス1500円程度。
共に3割負担時の実費としてこれくらい。

日帰り手術を含む総額で5万円程度を見ておけばオッケーかと。
勿論、病院や担当医の治療方針や骨折の状態等で変わってくるので、詳しくは病院へお尋ねを。

 

保険

自動車保険や自転車保険、或いは傷害保険等が使える可能性が有るなら保険会社に連絡しよう。
自動車保険には、日常の怪我でも使える特約が有るので、出来れば一家に一つは入っておくのをお勧めしたい。
一般的に弁護士特約等と同じく一つの保険で同居する家族全員分がカバー出来るので、車やバイクを同居の家族も含めて複数台所有してる場合、どれか一つだけ入っておけば事足りるので重複しないように気をつけよう。

保険会社によっては、自転車での単独事故でも事故証明が求められる場合も有るかも知れないので、その場合は早急に警察へ連絡しておこう。
まぁ基本的に、自転車単独事故でも警察に連絡しなきゃダメなんだけど。

 

どの保険も診断書は求められるのは共通。
大体は保険会社から書類を渡されるので、それを病院に提出すれば数日で診断書が発行される筈だ。
アンケートに毛が生えた程度の簡単な書類に5000円以上も取られるけれど、自分で書く訳にも行かないので諦めよう。
診断書代は自腹、保険適用されないので、受け取る際にはその代金を持っていくのをお忘れなく。

 

なお、診断書を添えて保険会社へ申請を出しても保険が下りない場合も有る。
『お支払い出来ない場合』って具合に入院日数等の保険が下りる条件が細かい字で書かれてるので事前に確認しておこう。

ただ一般的には、申請しても保険が下りない場合でも診断書代程度は支払われる場合は多い
紙切れ一枚に5000円~もするので、それが無駄に成ったら踏んだり蹴ったりだものね。
保険会社は鬼では無いので、それくらい出してくれる事も多い。
だがそれも必ずしもでは無いので、小さな文字で書かれてる約款を熟読して気に成る場合は保険会社に確認しておこう。
骨折ってからウンウン言いながら小さい文字を頑張って読んで調べるのは大変なので、骨を折る前に調べておくのが大切だ。
イザって時に右往左往しないように事前に手を打っておこう。

 

まとめ

・中手骨の骨折は、ピンニング手術~シーネ(アルミ板)固定が一般的。

・ピンニング手術後の数日間は結構痛い。

・治療費は、手術が1~2万円、初診料~手術後のケア~リハビリまで合わせて概ね5万円(3割負担の場合)

・固定期間は4~6週間、その間は包帯でシーネを保持するので水濡れ等ができない。

・麻酔無しで行う抜釘(ピンを抜く処置)は、結構怖いけど意外と痛くない。

・固定が取れたらリハビリを行うが、スムーズに動くまでの期間は固定した期間に比例する。

 

あ、ちなみに今回骨折った人は、自転車で転んだのが原因。
ガキ大将みたいだけど、誰にでも起こりえるので皆様注意しよう。
たかだか小指と言っても大変だからね。
しかも両手。
もう大変。

たかだか小指でも骨折ったらかなり大変なので皆様くれぐれもご注意を。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy