MotoGPテクノロジー

その昔は走る実験室、だなんて事も言われてたレースの世界。
だが、ここ最近は市販車とレーシングマシンとの乖離が激しいので、中々レースで培った技術を市販車へフィードバックする、ってのも難しい。
ホンダのF1とステップワゴン程の差でも無いけれど、それでもMotoGPのテクノロジーを同じような見た目の同じ排気量で、ホンダを除く同じエンジン形式のスーパースポーツにフィードバックさせるのは難しい。
カーボン製のスイングアームやディスクローター、窒素ガスでバルブを作動させるシステムを市販車へ載せるのは無理な話だ。
今に始まった話でも無いんだけど。

もっともそれは市販車からレーシングマシンへ、と言う流れにしても同じ。
昨今義務化されたABSにせよ、一部のフラッグシップには標準装備と成りつつ有る電子制御サスペンションもまた然り。
レースではレギュレーションで禁止されてるので、幾ら優れててもそれら装備をレーシングマシンに載せるのは無理な話。

見える所、見えない所のフィードバックは勿論今も沢山有るだろうけど、だからとそのままホイっと持ってくるものそれはそれで難しい訳だ。
今に始まった話でも無いんだけど。

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Brno MotoGP: Holeshot: Rins to use again, Bradl developing for Honda

ホールショットデバイスをホンダがテストしてるよって、先月配信されたニュース。

Practice Starts: Ducati, Honda, and Yamaha's New Holeshot Device (2020 MotoGP Sepang Winter Test)

皆様ご存知だろうけど、現在MotoGPの多くのバイクに付いてるホールショットデバイスはリアの車高を落とすタイプ。
その起源と成るモトクロス界ではフロントを落とすタイプから始まったのだけど、なんか良く解らないけれどリアを落としても効果は有るのだとか。
原理はいまいち解ってないけど。

効果はウイリーを防ぐ事。
これにより、電子制御でのウイリー制御の割合を減らす事が出来るので、その分駆動力をリアタイヤに伝える事が出来る。

現在のこのスタイルのホールショットデバイスを始めたのはDUCATI。
エアロデバイスから弁当箱、スイングアームに付いてるリアタイヤを冷やすとか言ってるアレ、ホイールを覆う大きなカバー等々。
新たな野心的なアイデアをドゥカティが投入し、他メーカーはそれについてあーだこーだと半笑い浮かべながら否定的な意見を述べつつシレっと真似して来るのがここ10年程の流れ。

このホールショトデバイスにしても同じ。
アプリリアはちょっと違うのかな?
でもヤマハも追随し、そしてスズキも同じく同じようなのを持ってきてる。
結局は、使うか使わないかはライダー次第なので、リンスは気に入ってるけどクアルタラロはあんまりなぁ、って具合らしい。

ただ、使うか使わないかは別にして、使えるか使えないかは非常に大きい。
使いたくても使えないってのは、同じ土俵で戦うライダーからしたら非常にストレスな話なのだから。

それがホンダ。
ウインターテストでは、このホールショットデバイスをさらに進化させたライドハイドアジャスター(走行中に車高を落とすシステム)のテストをマルケスがしてたのだけど、残念ながら実戦投入はまだ未定。
肝心のマルク・マルケスがお休みだし。

だが、幸か不幸か、現在のホンダには今まで数々の人柱を経験してきた、人柱職人ステファンが居る。
ポイントランキングはおろか、来年の契約にすら何も関係無い人なので、野心的なニューアイテムを実戦で実験するには最高の人材なのだ。
ってか、他に居ないし。
クラッチローは体の具合でそれ所じゃ無いし、アレックス・マルケスも自分の事でそれ所じゃ無いし、ホンダを一身に背負う毎日がハイプレッシャーな中上君もそれ所じゃ無い。
ステファンしか居ない。
ランキングに関係無いからと、芋食って屁をこいてるだけの暢気な毎日でも無いだろうけど、他のライダーに比べりゃね。
やっぱりステファンしか居ない。
ホンダの希望のカギを握るのはステファンしか。

昨日レースが開催されたミサノは、来週もまた同じくミサノでレースが開催される。
そのミサノとミサノの間、明日はそのミサノでオフィシャルテストが開催される。
まるでテレビショッピングとテレビショッピングの間にテレビショッピングを突っ込んで来るケーブルTVみたいなスケジュールだけど、ともかくテストは明日行われるのだ。

ここでついにホンダにもホールショットデバイスが....
なんて憶測もされてたけれど、肝心のクラッチローはお休みなのが非常に残念なお話。
だからここは、ホンダを一身に背負う毎日がハイプレッシャーな中上君の2019年型に載せるしか手は無い。
ぶっちゃけ、今のアレックス・マルケスが0.1秒スタートが早くなった所で大した差は無いのだけど、存在感を博多濃厚豚骨スープのように存在感をバリ増しにしてる今期の中上君の場合は0.1秒は非常に重い意味を持つ数字なので、ホールショットデバイスが効果的に機能したらその意味は非常に大きい。

明日のテストで投入される事を、そしてそれがちゃんと機能する事を期待しよう。
現状それ程に悪く無いスタートが、今よりさらにちょっとでも良くなれば、それはとてもハッピーな結果に繋がる、かも知れないのだから。
でも....どうだろうね。
ホンダの判断は如何に。

その昔は走る実験室、だなんて事も言われてたレースの世界だけど、ここ最近は市販車とレーシングマシンとの乖離が激しいので、中々レースで培った技術を市販車へフィードバックする、ってのも難しい。
でも、このホールショットデバイスは是非とも市販車へ投入して欲しいアイテムだ。

2020 Yamaha M1 MotoGP Holeshot Device

別に青信号で猛烈ダッシュしたい訳じゃ無いんだけど、信号待ちでこれだけ車高が落ちたら嬉しいなぁって、そんな方面で思う訳だ。
足ツンツンなのに1400ccなんて巨大なバイクに乗ってる、己の股下を自覚してない私はそう思う訳だよ。
速度が1桁台に落ちたら勝手にローダウンして、2桁台に上がったら元の車高に勝手に戻るシステムが普通に市販車に着いたら嬉しいよねと。
MotoGPでは禁止されてる電子制御だって市販車なら無関係なのだから。

別にフロントフォークを電子制御したりカウルに羽根を生やしてくれる必要は無いだけど、これについては市販車にフィードバックしてくれないかなって願いながら、今日も己の股下を省みずに足ツンツンの巨大なバイクに乗る私なのだった。
次の信号待ちで下敷きに成ったらどうしようか、って程では無いにせよ。

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