乾いた空気

Aragon MotoGP: Quartararo: 'Disaster day, tyre pressure totally out of control’

アラゴンでのクアルタラロの沈没の原因は、フロントタイヤの空気圧が原因だったとか。

空気圧が原因
と聞いたら、通常はエアーが漏れたのかと思うかも知れないけれど、どうやらその逆。
空気圧が高く成りすぎたのがその原因だとか。

タイヤが加熱されると空気圧は高く成るのは当然なのだけど、通常はそんなに大きな問題には成らない。
少なくともトップライダーがポイント圏外にまで落ちるなんて大きな問題には。
通常は。

そりゃ走ればタイヤの温度は上がって空気圧も上がるのだけど、今回のアラゴン程度の温度でどうにも成らないくらいに空気圧が変動してたら、路面温度50度オーバーのヘレスだと爆発しかねないレベルだからね。
でもヘレスではクアルタラロは2連勝してるので、恐らくは今回のアラゴンに限った話なのだろうと思う。

 

原因として考えられるのは水分の混入かな。
窒素にしろドライエアにしろ、水分が含まないと通常はそれ程に空気圧は上がるなんて事は起こらない。
だが、逆に水分が混入してると、大きな影響として現れる。
水が気体(水蒸気)となると、体積は1700倍に成ると言われている。
窒素やドライエアに比べると、その影響は余りに大きい。
まぁ現実的にMotoGPマシンのタイヤ内に水分が混入するとは思えないんだけど。
通常は。
だから....結局何なんだろう。

 

クアルタラロ沈没の原因は結局いまいち良く解らないんだけど、普通に乗ってる普通のバイクでも、タイヤの中の水分はシャットアウトしたいもんだ、って今回のお話。

 

 

一般的に使われるのはこんなの。

レギュレーターとエアフィルターが一体型に成ったタイプ。
上部のノブで吐出圧力を調整し、下部の透明プラスチック部分には水分が溜まる。
使用後は一番したの黒いネジを緩めると、エアと一緒に水分が放出される。
そんな構造。

普通に生きてると工業用エアーレギュレーターのブランドなんて気にする機会は無いだろうけど、SMC、コガネイ、日本精器辺りで選んでおけば間違いない。

 

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このタイプのコンプレッサーを買ったら、レギュレーター(赤いノブの付いてる部分)を外して、フィルター付きレギュレーターに交換するのが一般的。
一般的と言うか、最低限必要な作業だろうと思う。
スペースの関係で既存のレギュレーターの後にフィルターだけを繋ぐのも有りなんだけど、レギュレーターごと交換するのが一般的かな。

使ってみるまでは実感出来ないのだけど、実際にコンプレッサーを一回駆動させると、意外な程に水は溜まって来る。
このフィルターにも目で見て解るくらい、丸一日使うと水分、って言うよりもはっきりと水が溜まる。
使用後にコンプレッサーのタンクのエアを抜くと、ドレンとしてビチャビチャと吹き出すレベルで水が出て来るのだから必然って奴だ。
フィルターを付けてないと、その水がタイヤへと供給されてしまうので、影響は結構大きい。

これは梅雨時とか雨の日とか、ってのもあんまり関係無くて、湿度の低いピーカン晴れの日でも普通に水は溜まる。
サウジアラビアなんかではどうだか知らないけれど、少なくとも日本国内では季節も天候も関係なく何時だって水は溜まる。
コンプレッサー使用後にはタンク内のエアを抜きましょう、ってのはそれが理由だ。
タンク内のエアと一緒に溜まった水分を排出しないと、タンクが錆びてしまうからね。

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言い出せばキリは無いけれど、どこのメーカーのモノだって無いよりはマシなので、コンプレッサーを買ったら最低限の装備としてこれを同時にお求めを。
最低限、このフィルターは必要だろうと思うな。

 

 

だが、フィルターはあくまで最低限度の気休めに過ぎない。
本来では、この手のエアードライヤーを使うのが正しい。

こちらは冷凍式と呼ばれるタイプのエアードライヤーで、ここを通る空気が圧力下露点温度まで冷やされる事で水分を分離、除去される仕組み。
塗装屋や工場では普通に使うのだけど、民間人が導入するには敷居はちょい高いかもね。
もちろん私も持ってない。

ちなみにお値段は10万円位。
買えない額では無いけれど、きっと今後も買わないだろうなって額だ。

メンブレン式(膜式)ってタイプも有る。
こちらは中空糸膜フィルターを通して水分を分離するタイプ。
ここを通って乾燥した空気が機器へ供給され、水分を含む湿った空気は自動的に大気中に放出(パージ)される。
価格も安くて電源もメンテナンスも不要なのだけど、湿った空気がここからパージ=エアが放出されるので、エアの供給量が落ちるのが問題。
2馬力程度の小さなコンプレッサーではちょっと無理が有るか。

 

結局は、民間人が使うにはフィルターレギュレーターが精一杯だろうと思う。
他のはちょい敷居が高い。
上記したようにフィルターはあくまで簡易的な水分除去能力しか持ってないのだけど、これすら無いのはやっぱり問題。
ガソリンスタンドで無料サービスしてる空気入れは、残念ながら大体の場合においてフィルターなんて挟んでくれてない。
それ所か、タンク内のエアの入れ替えもしてくれてないので、多くの水分が含んでる可能性が有る。

良くガソリンスタンドにおいてる、こんなザクの頭には水分がたっぷり含まれてる可能性も有りえる。
スイカのように水分たっぷり、って程には無いにせよ。

気に成る人は、自分で出来る限りの乾燥したエアを用意するか、水分を含まない窒素ガスに入れ替えるのが良いのでは無いかと。
気に成る人はね。
そんなの気にしねーよって人は、その限りでは無い。

 

あ、余談だけど、新品タイヤをハメる際に中性洗剤や石鹸水を使うのは、チューブタイヤだけにしておいた方が良いと思うよ。
チューブレスタイヤは普通にタイヤワックスやシリコンスプレー使うのが良いのでは無いかと。
幾ら空気中の水分を気にした所で、自分でタイヤ内側に水を入れてちゃちょっと困ってしまうからね。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy