二輪噺

奥様ライダーズ小話ブログ

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青春暗黒日記

   

まだ私が幼かった頃。
自転車に乗っていた私は、京都の有る大きな通りの交差点で、ふとこんな事を思ったのだ。

この左右に通る道を進めば、何処へ行くんだろう?
と。

京都の道は碁盤の目と言われる。
京都と言っても、京都市内のそれも中心部に限った話だけど。

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概ね御所の近辺。
その御所を中心に、西は北野天満宮、南は東寺、東は平安神宮の辺りまでだろうか。
北の方へは広く広く見積もっても、精々上賀茂神社の辺り。
それを越えたら、京都市内と言っても特に通りは碁盤の目では無い。
と言うか山だ。
ただの山。
そもそも通りなんて無い。
山だよヤマダ。

大学生時代の事。
関東の大学に通ってたのだけども、その頃に一時期バイトしてたパスタ屋の店員に
『アタシ、京都出身なのよ!』
と、なんか良く解らない自慢をしてる人が居た。

ん?それがどうしたの?
って思うけど、関東在住の人間からしたら、京都出身者はちょっとしたバリューが有るんだ!
と、彼女は思ったらしい。
そんな事は無いと思うんだけど。
安土桃山時代じゃ有るまいし。

へーそうなんすか?
で、京都のどちら?

と尋ねたら、京産大のちょい上なんだって。

京産大の上って山じゃ無いか!
ただの山じゃないか!
ってか、山じゃ無いか!
山だよヤマダ。

と、突っ込んだら本気で発狂されて、ちょっと困った思い出が有るのだけども
ともかく、そんな碁盤の目と言われる地域の、碁盤の目のように規則正しく直交した交差点で、ふとこんな事を思ったのだ。

この左右に通る道を進めば、何処へ行くんだろう?
と。

今の時代、手持ちのスマホからGoogleMapを見れば、道は何処に繋がってるかなんて直ぐに分かる。
ストリートビューで道路からの風景さえも手に取って見える。
勿論当時とて詳細な地図は有ったので、流石に出先で衝動的に確認するのは無理だとしても、家に帰って地図を見れば解る。
旅人では無いので常に地図を持ち歩いてる訳では無いけど、家に帰ったら確認は出来る。
あの道を、あの直交した道を右に行けば何処に行けるか、左に行けば何処に行けるか。
ただ行き先を確認するだけなら簡単だ。
ただ行き先を確認するだけなら。

でも私は自分の目で見たかった。
あの道の先を自分の足で歩み、そして自分の目で見たかった。

何も無いかも知れない。
美しい景色も、目を見張る光景も、感動する場面も、何も無いかも知れない。
ただのごちゃごちゃした田舎町を過ぎ、最終的には山に行き着くかも知れない。

否、恐らくそうだろう。
日本全国、何処だってそれは同じだ。
渋谷で有ろうと京都の駅前であろうと横浜の関内であろうと神戸の元町であろうと。
海に突き当たる以外は、大体は何処の道を進んでもただのごちゃごちゃした田舎町を過ぎ、最終的には山に行き着く。
そして山を過ぎて田舎道をひた走ったら最終的には海に突き当たる。
どう間違ってもメキシコシティやロンドンには辿りつけない。
結局最後は、田舎町の向こうの海に突き当たる。

でも私は自分の目で見たかった。
あの道の先を自分の足で歩み、そして自分の目で見たかった。

何も無いかも知れない。
美しい景色も、目を見張る光景も、感動する場面も、何も無いかも知れない。
ただのごちゃごちゃした田舎町を過ぎ、最終的には山に行き着くかも知れない。
でも私は見たかったのだ。

だが自分の足で歩くのは限界が有る。
自転車だってたかが知れてる。
所詮は人力、行動範囲なんてたかが知れた物。

そうだ、バイクに乗ろう。

ガソリンが有る限り、アクセル開けたら何処へだって連れて行ってくれる。
私の気のまま、思うままに、あの道の向こうへと連れて行ってくれる。
風に乗って、私の気持ちをあの道の向こうへと運んでくれるんだ。

私がバイクに乗った理由。
それはただ、あの道の向こうを知りたかったから。
それはただ、あの道の向こうを見たかったから。
ただそれだけだよ。

なんて事を言ってた、ちょっと痛い時期も私に有った事は、私の心に黒い歴史としてガッツリと深く食い込んでるのだけども
モトクロッサーに乗ってる時のパンツのごとく、凄い勢いで食い込んでるのだけども
勿論そんな事は無い。
そもそもバイクの免許取った理由なんて特に無い。
前にも書いたけど、すでにモトクロスやってたので、16歳に成って免許取ったのはただの必然だっただけの事だ。
ポエマーな衝動も無ければ、意識高そうな理由も無い。
でも、そんな事を言いたい時期も有ったのだ。
人間誰しも、麻疹のようにフラフラっと変な事口走って、或いは変な事やってしまう時期が。

ほら、正直に言ってごらん。

Gジャンの袖切った事有るだろう。
勢い余って革ジャンの袖切った事すら有るだろう。
バイク乗りながら十字架を切った事が有るだろう。
カウルに撃墜マークを貼った事が有るだろう。
バイクを買う前にヨシムラサイクロンの値段を調べた事が有るだろう。
免許を取る前にツナギの採寸に行った事が有るだろう。
軽量化と称してタンデムシートレールを外した事が有るだろう。
でもその直後バイト先の後輩に乗せてくれと言われて涙を飲んだ事が有るだろう。
その他色々。

その全てをクリアしてる人は、是非ともその思い出を本にして欲しい。
とても読みたいから、是非とも書籍化、せめてブログに書き起こして欲しい。
タイトルは青春暗黒日記でよろしく。

私も、ほんの数ページとは言え青春暗黒日記に書き残せるような出来事は有る。
流石に一冊の本にまとめる程では無いと思うけど。
思いたいけど。

でもつくづく思う。
その頃、ツイッターなんて無くて、本当に良かったと思う。
もし当時ツイッターなんてのが有ったら、一体私はどんなポエムを真顔で呟いて、立ち直れないほどの深い傷を自らに刻み付けてたのだろうかと思う。

想像するだけでちょっと怖い。
思い浮かべるだけでちょっと恥ずかしい。

と言う訳で、リンクを張る用意は出来てるので、青春暗黒日記を執筆する方は是非ともご連絡頂きたい。
よろしく。

追記
モトクロッサーに乗ると、パンツが食い込むのは仕方無いのかも知れない。
バイクに跨った状態で、足って座って足出して...ってしてるので、どうしてもグイグイ食い込んでしまうのは避けれないかも知れない。
かと言ってロードバイク乗りみたいにパンツを履かないのはお勧めしかねるので注意しよう。

食い込みを楽しみ、食い込みを嗜めてこそのMXライダーって奴だよ。
食い込みパンツのみかんちゃんからのアドバイスだ。

ではまた明日。



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