雰囲気を取るか便利さを取るかと聞かれたら、やっぱりここでも程ほどを選択してしまう

世の中、より便利に、より手軽に、より簡単にと進化してきた。
毎日のように獣を追いかけてた時代からすると、考えられない程に便利に成っている。
獣を追いかけてた時代なんて勿論知らないんだけど、ともかく便利に進化して、そしてこれからももっと便利に進化するんだろうと思う。
人間が働かなくてもロボットがお金を稼いで来てくれる世の中がやって来るのかどうかは知らないけれども。

 

生活が便利に成るのは本当に望ましい事なのだけど、その一方で雰囲気と言うのか何と言うのか、甚だしく非論理的だけど、その非論理的な部分を失ってしまう一抹の寂しさって奴が有るのもまた確かな事だ。
それは例えばSR400のキックスターターだったり、未だに残る5速MTだったり、或いは機械式時計だったり、等々と。

どう考えてもスターターボタンをポチンと押すだけのバイクの方が便利だ。
特にモトクロッサーなんて、一度でもセルフスターター式に乗れば、もはやキックには戻れやしないと、私の周囲ではそう言ってる。
残念ながら、私は股裂けの刑に処せられながらキックをしまくってた時代しか知らないんだけど。
私の乗ってたのは、まだYZ250Fが前から排気してた時代だったし。

自動車でも同じ。
普通にそこらを走るならATやCVTが圧倒的に便利。
ヘンテコな車に乗ってた時代、ATなんてご免だわさと粋がってた私だけど、やっぱり何だのかんだの言って、ATは便利だ。
ATを拒絶してたのは、ミニのATはいまいち評判が良くなかった、って理由は有るんだけど。
旦那さんの乗ってたスーパーセブンにはそもそもATなんてのは無かったし。
ああ、そりゃATなんて無いさ。
ドアさえも無い、幌を着けたら乗り込む事すら困難な、サイドブレーキに手が届かないような車に何を求めるってんだ。
後に、運転席に座りながらサイドブレーキに普通に手が届くセブンに乗った時はどれだけ便利なんだろうかと感動した事か。

 

でも、ちょっと便利悪いシステム、ってのは、そのちょっとした便利悪さが、ちょっとした魅力を感じたりするのが人間のややこしい部分。
実際、時々インプレッサに乗るけれど、5速MTって時々乗るとやっぱり楽しかったりするしね。
これで帰省ラッシュ真っ最中のお盆の高速道路の渋滞に入るのはちょっと遠慮したいけれど、ちょっと走るにはやっぱり楽しいもんだ。

それは前述したSR400のキックスタートも同様。
程よい面倒臭さが、きっと魅力有るんだろうと思う。
SRの程よい面倒さが。
押し掛け専用だったり、自動車のフロントグリルに棒を突っ込んでグルグル回すシステムは流石に面倒にも程が有るって話なんだけども。
幾ら面倒な儀式が楽しいと言っても程が有る。

 

ランタン=lantern
手提げランプと言う意味だが、今の時代にランタンと言えばキャンプ用のランプの事を指す。
仕事を終えて帰宅するのにランプを提げてく人もそうそう居ないだろうし。

左は今時のLEDランタン。
乾電池も使えてUSBでも充電出来て、本体カバーをシュコっと伸ばすだけでライトが点灯する優れもの。
メーカー不肖で正体不明だが、扱い簡単、かなり明るい、そして安全。
おまけにLEDの光は虫を集め難いと言われてたりもする。
バイクではちょっと難しいけれど、自動車でのキャンプ旅行なら走りながら充電出来る。
まさに完璧な照明器具だ。

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一方、右側は既に随分前に発売終了と成った、イワタニのジュニアランタン。
いわゆる100円カセットガスが使えて、コンパクトに収納できて、そして安い。
ツーリングライダーで愛用してた人も多かったランタン。

ソト(SOTO) レギュレーターランタン ST-260

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残念ながらイワタニは既に消滅したので、同様なのをお求めならこっちに成るのかな。

 

ガスの炎が明りの源なので、当然ながらガス缶が必要。
ガラスグローブは常に破損の心配も有るし、荷物を積んだまま林道を走るとマントルはほぼ使い捨てと成る。
だからバイクツーリングでは圧倒的にLEDに軍配は上がるのだが、それでもこのガスの炎って奴は何とも言えない魅力は有る。
この暖かい光が。
と言うか物理的に暖かいのもこの時期には嬉しいポイントだ。
真夏でも北海道の夜や、本州でも秋や春のキャンプは寒いからね。

 

手間、と言ってもマントルをセットする程度。
後はガスを繋いでボタンを押せばまぁまぁ明るくしてくれる。
まぁ、まぁまぁな明るさだけども。

ガソリンランタンは流石にちょっと面倒臭い。
そもそもガソリンまで持ち運ぶのも大変だ。
ポンピングしてる最中にマントルを壊したり、点火に失敗して火達磨に成ったり、煤だらけに成ったり。
それはそれで楽しくて、華麗な手つきでチャチャっとガソリンランタンを点灯させられたらそれはそれで素敵な光景なんだけど、LEDの圧倒的簡単さを前にするとちょっと躊躇してしまうのも、また確かだったりする。
やっぱちょっと面倒臭いかも。

お陰でコールマンランタンも、世界中で使えるMSRもココの所は随分とご無沙汰。
オートキャンプ場に携帯用IHヒーターやホットプレートを持ち込む程に、飽くなき便利さを追求してる訳では無いけれど、今の私にはガスストーブとガスランタンが丁度良いバランス点なのだろう。

とっ捕まえたアナグマを薪で丸焼きにするのがキャンプだぜ!
って、ワイルドな人も居るかも知れないけれど、私はこれくらいのちょい面倒なくらいがやっぱり丁度良さそうだ。
やっぱりここでも程ほどを選択してしまうって事だね。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy