自分の常識は、必ずしも世間の常識とは言えない
人間、何十年と生きて来たら、何かしらの指針、標準が出来る。
つまり、常識。
お雑煮は白味噌が常識だったり、喫茶店でコーヒー頼んだら柿の種が着いて来るのも常識。
地域で一番大きな建物は公民館で、地域で一番大きな家は町長の家なのも常識。
ワイパーが右レバーでウインカーが左レバーなのも常識で、新車なのにすぐにオイル漏れてくるのも、ニュートラルから一速に入れたらガッシャンコ!!って壊れてるような音がするのも一昔前のカワサキ乗りの常識。
親戚の結婚式には全身メイクを施しチ○コケース着けて正装するのも、ンダバダ族の常識だ。
これら全て、自分に取っては常識。
人間、何十年と生きて来たら数々の出来事を経験し、それが常態化すると一つの常識として確立する。
だが、自分の常識は、必ずしも世間の常識とは言えない。
あなたの常識は必ずしも私の常識では無いのと同じく、私の常識は必ずしもあなたの常識とは言えない。
それを自分で認識し、自分に取ってだけの常識だと理解してるなら実害は無いのだが、自分の常識を森羅万象この世全ての常識だと勘違いする人が時に居る。
自分には自分の常識、スタンダードが有る様に、他者には他者の常識、スタンダードがある事をちゃんと理解しておきたい。
朝食の目玉焼きにラー油を添えてあげたのに、なんで使わないのよと朝から吹っかけるのは自重するのが人としての正しい生き方だ。
ちなみに目玉焼きにラー油を掛ける人はお目に掛かった事は無いけれど、目玉焼きにポン酢しょうゆを掛ける人はここに居る。
でもそれは世間の常識だとは思ってないので、それを他人に強制したり、ましてや喫茶店で味ポン持って来い、なんて要求なんてしないけれどね。
ちゃんとわきまえてるさ。
あなたとは違うんです!
なんて、何処かの元総理のような事を言われた事は無い。
この日は神戸中華街のぎょうざ苑。
界隈には何軒かの歴史の長い餃子専門店が有った。
最も有名で地域最強の名が高いのは、やはり鯉川筋沿いの瓢たん。
ダウンジャケット着てると店内で身動き出来ない程にタイトでスパルタンな店。
残念ながら今年の6月に閉店したが、なんでも来年に再開するらしいって話。
その瓢たんの裏手の辺りに有るのは赤萬。
元町中華街と元町商店街の間に有るのが餃子大学。
そして今回も訪れた神戸中華街のぎょうざ苑。
他にも数多くの餃子専門店、或いは餃子の美味しい喫茶店では無く餃子の美味しい中華屋は有るが、所謂老舗と言われるのはこの辺りかな。
どの店もレベルは非常に高い。
これら老舗以外にお洒落GYOZA店も増えたけれど、やっぱり元町の餃子と言えば古来ゆかしいスパルタンな店が似合う、と思う。
神戸のお洒落デートには....ああ、まぁそもそも餃子って選択はアレだけど。
今回、このご時勢にわざわざ神戸元町まで餃子食べに来たのは、何時だったかと同じように、友人の一人がまたしても神戸方面へ来たから、久しぶりに顔合わせようぜって事で。
先日、遂に出してしまったコタツに潜り込んで小さく成ってたら、そんな連絡が入ったが為。
で、元町のぎょうざ苑。
ぎょうざ苑は、界隈の餃子屋に比べると随分と店が広い、ってのもこのご時勢には嬉しいポイントだ。
前述した瓢たんってこんな店だったからね。
この時期、やたらモッコモコしてるバイク乗りが行くには余りにスパルタンが過ぎる。
ビバンダムならまだしも、ンダバダ族の正装で行ったら色んな所を突き刺しちゃう。
それくらい、タイト過ぎて身動き取れん。
ちなみに、それが焼きだろうと水だろうと、神戸元町界隈の餃子は味噌と酢と醤油をミックスしたタレで食べるのが常識。
それが世界の常識、なんて言うつもりはないけれど、それが神戸元町の常識ってだけは言っておく。
おお、久しぶり!
電話の向こうから聞こえて来た、ちょっと懐かしい声に私はそんなありきたりな反応をした。
先日、遂に出してしまったコタツに潜り込んで小さく成ってた時掛かって来た、電話の向こうから聞こえる、ちょっと懐かしい声に私はそんなベタな反応をした。
ちょい用事で神戸を通るから、食事でもどうだと、このご時勢にそんな電話。
天気も良いし、全然寒くないよと、そんな声に誘われ、私はのこのこと出かけたのだ。
セローに乗って神戸元町まで。
中華街界隈のバイク置き場にZZR置くのは大変だから今回の選択はセロー。
テロテロと、セローで出発。
どうせ80km/hも出したら一発面停なのでセローで十分だし、なんて身も蓋も無い事は言わないけれども。
自分の常識は、必ずしも世間の常識とは言えない。
改めて私は、それを身を持って知った。
すっごい寒いの。
もうホントにもうホントにすっごい寒いの。
ああ、あの人って長野県人だったけか。
長野の山の上の、今年はもう既に積雪でえらい事に成ってる豪雪&氷点下の所で暮らしてる人だったっけか。
今は長野県の街中に住んでるそうだけど、それでもどえらく寒い事に違いは無い。
あなたとは違うんです!
オコジョみたいに氷点下の雪山で生きてるあなたとは違うんです!
寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い言いながら、やっぱもう一枚着て来りゃ良かったと思う私なのだった。
チ○コケースは要らないけれど。
ンダバダ。
あ、そうそう、神戸元町の中華街。
以前、横浜中区の人間を案内してたら路地呼ばわりされた神戸中華街。
ああ、まぁ横浜中華街と比べたらなぁ。
私も学生時代は横浜市民だったから言わんとする事は解るさ。
で、その端から端まで歩いて10分程の神戸中華街は、もうちょっとしんどい状態で。
中華粽専門店の龍鳳を始め、正直ちょっとしんどい。
老祥記とYUNYUNとぎょうざ苑しか残らないんじゃ無いかもね。
瓢たんも復活するらしいので、どうにか乗り越えて欲しいな、と。