髪の毛一本で人生は変わる-後編

左に行きたければ右へ行け

そんな、逆張りを生業としてる人の座右の銘みたいな道が大阪に存在する。
それは長柄橋。
古には、過去に余計な事を言ったが為に人柱にされてしまったと言う、現代にも通じる苦い歴史が有る橋。
詳しくは調べて頂いて欲しい。
そして、現代を生きる指針として、特に若者たちには心に刻んでおいて欲しいな。
言わなくても良い事は言うな。
そして、しなくても良い事はするな、と。
雉は鳴かなければ射られなかったんだよ、と。

柳田邦夫が言う、4000年前のエジプトのピラミッド建設現場には最近の若者を憂う記述が有ったとか、飛鳥時代に余計な事を言ったがばかりに長柄橋の人柱にされちゃったおじさんとか。
人ってのは、長い時を経てちょっとずつ進化して大きく変わった部分は有るけれど、ちょっとも変わってない部分もまた有るみたいだ。

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で、その長柄橋ってのはこんな橋。

橋の真ん中過ぎ辺りに道が一本ちょろっと着いてるのが特徴。
大阪の天神橋方面からこの長柄橋を渡って、左に曲がってちょっと行けばキーエンス本社が有る。

 

車線は橋の真ん中あたりでイエローラインによって分けられる。
目的地はこの橋を渡って左折するのだが、左折するには右側の車線を選択するのが正解。
左に行きたい人は左車線、右に行きたい人は右車線を通るのが通常だろうが、正しい選択はその逆。
長柄橋を渡り左折してキーエンスに行きたいなら、ここは右車線を選択するのが正解だ。
逆張りこそが正解の道。
逆に考えるんだよ、ジョナサン。

 

一番上の写真に有った、橋の真ん中過ぎ辺りにちょろっと着いてた道がこの部分。
左に別れた道は、グイっとカーブして東淀川方面、つまり長柄橋を渡って右へと進む道に繋がる。
左に行きたい人は右車線を直進したら普通に左折出来る、と言うか二車線とも左折しかできない。
中々にややこしいが、ここを走る人はこの初見殺しの罠に引っかからないように注意したい。
一応は地面にも書いてるし、途中で小さな標識も有るには有るんだけど、ちょっと不親切が過ぎないかと思う。
ナビ無しで初見の人は確実に間違うだろう。
ってか、私も間違った。

ちなみにこの道。
分かれ道の直前で気づいてもすでにそこはイエローラインなので車線変更出来ない。
右にも左にも嫌が応なく進む必要が有る。
じゃぁ渡ってからUターンすればイイじゃんと考える人も居るかも知れないが、この橋を渡った先は右も左も非常にUターンがしにくい道なので、結構なタイムロスに成ってしまう。
十分な注意が必要だ。
ってか、私もUターン出来なくてすっごい困った。

で、話の続き。
キーエンスに転職するべく、なんとなくキーエンス本社を見に行こうと考えた彼は生まれて初めて長柄橋を通ったのだが、ご想像通りに左に曲がろうとして右に行っちゃった。
前述したとおり、この道を初見で間違わない人も多そうな道なのだけど、それでもキーエンスに行くなら、ここは初見だろうが目を瞑ってようが封印されし超能力を覚醒させて間違わずに右車線を選択したい。
キーエンスは、そんな人材を欲してるのだから。
もうこの時点であなたの面接は始まっているのだから。

 

最悪だ。
直ぐにUターンしようと考えたのだが、前述したように曲がった先はUターンが非常に困難な道なので、行きたく無い方へとどんどん進んでしまう事と成った。
なんてこった。

だが、その迷った道の先でコーヒー買おうかと立ち寄ったコンビニで偶然知り合いに出会い、その知り合いが立ち上げたばかりのベンチャーへと就職し、そしてそこで知り合った女性と結婚までしてしまったのだから、世の中ってのは何が起こるか解らない物だと思う。

右の車線か左の車線か。
大阪の地図を上から見たらたかだか髪の毛一本程度の事。
だが、このたかだか右側か左側かの車線で人生が変わった、と言って過言ではない。
普通にキーエンス本社を見学する為左折するべく右車線を走ってたら、今の彼は無かったのかも知れないだから。

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それが良かったのか悪かったのかは、別の世界線での話なので考えても仕方ない話。
人生の道案内は長柄橋よりも不親切なので、行ってみなきゃ分らない。
そして人生は、長柄橋を渡った先よりもUターンがしにくいのだから。
そんな事、考えても仕方ないさ。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy