二兎追うアプリリア

二兎追うものは一兎も得ず

と言われるが、それは追う側のスキル、追われる側の能力にもよる話だろう。

広い草原で、私が二羽のウサギを追いかけた所で一羽すら捕まえられないだろう。
もっとも、一羽に集中した所で捕まえれそうには無いけれど。
捕まえても仕方無いし。
と言うか割と苦手だ。
あの人畜無害な顔しながら何か企んでるかのような目が苦手だ。

でも、これがコヨーテや野生猫のような俊敏な肉食動物なら話は変わってくるだろう。
それも狭いエリアなら尚更追う側に有利に働く。
二兎追って二兎とも狩る事すら不可能では無い。

これは人も同じ事。
国際線のパイロットをしながら脳外科医をするのは無理だが、ローソンでバイトしながらファミマでバイトする事は可能だろう。
もっとも、同じコンビニと言ってもそれぞれ流儀は異なるので、ローソンモードとファミマモードとを適切に切り替えれるスキルは必要なのだが、少なくとも国際線のパイロットをしながら脳外科医をするよりはまだ敷居は高い。
左翼活動家しながら精神科医をする事については特に言及しないけども。

二兎追うものは一兎も得ず

追う側の能力。
追われる側の能力。
それらによって、この説が成り立つ場合も成り立たない場合とが有る。

0716apri

2017年より、アプリリアがワールドスーパーバイクにファクトリーとして参戦するらしい。
ライダーは現在MotoGPライダーのユージーン・ラバティ。

SBKとMotoGP。
どちらも世界のトップカテゴリーのレースだ。
その両方でタイトルと同時に取る事は非常に難しい。

近年ではカワサキが無敵の最強チームとして君臨してるが、MotoGPを撤退してSBKに注力した結果と言えるだろう。
そもそもその頃のカワサキにMotoGPは敷居が高すぎた。
敷居所か万里の長城並みに高くなった現在よりは幾分マシと言えなくも無いけれど。

過去を紐解くと、2009年のベン・スピーズ(SBK)とバレンティーノ・ロッシ(MotoGP)が、同一メーカー(ヤマハ)での最も新しいダブルウイン。
その後、ヤマハもホンダもタイトル取ってないのダブルウインなんてのは無い。
そもそも継続して両シリーズにファクトリーを投入してたのはドゥカティくらいな物なので、ダブルウインが無いのも仕方無いのだけど。
そのドゥカティですら、同一年に両シリーズでタイトルを取ったことは無い。

2009年の前はと言うと、2002年のコーリン・エドワーズとバレンティーノ・ロッシ(ホンダ)、その前はコシンスキーとドゥーハンなんて名前を挙げざるを得ない程に遥か昔の事。
現在のMoto3ライダーの多くがまだ生まれる前の話だ。
つまり、それくらいに無いと言う事。
SBKとMotoGPの両方で勝つ事はそれくらいに無い。

その無謀なチャレンジに挑むアプリリア。
SBKに関しては、2010年2012年2014年と2年毎にタイトルを取った経験も有るので、実績は十分だ。
流石に今の最強のカワサキとドゥカティ、来年は多分やってくれるヤマハを相手に楽勝の展開は望めないが、そこそこの戦いはきっと出来るだろう。
ライダーもプロダクションレースでは実績十分なユージーン・ラバティ。
ラバティ兄弟最強のユージーンが乗るので、そこそこの戦いは魅せてくれるだろう。
ぱっとしない3兄弟の中ではマシだよね、なんて言っちゃダメだ。
きっとやってくれる筈。

ただ大きな問題はMotoGP。
現在、最大限当たり障りの無い言葉で表現したら、非常に苦戦してる状況だと言える。
人畜無害な言い方したら。

MotoGPにリソースを集中してるにも関わらずこの苦戦振り。
ライダーの差と言うのは確かに有るだろうけども、正直ファクトリーマシンとしては非常に厳しい現状と言えるだろう。

ん、まぁ要するにMOtoGPに集中しててもポンコツバイクしか作れないようなメーカーが、SBKとリソースを分散させたらどうなるんだろう?
ピアジオグループにそこまでの体力とどっちも本気でやる覚悟は有るのだろうか?

二兎追うものは一兎も得ず

今のクソミソなMotoGPの結果を目の当たりにして、ちょっとでも日の目を見れるシリーズに出ていい気分を味わいたいやさぐれた気持ちも解らなくもないけれども。
だが、来期はアプリリアから走る事と成るエスパル兄ちゃんとアレックス・ロウズ。
彼らのキャリアを破壊する結果と成らない事を切に願いたい。

昨年のヤマハのSBKファクトリー復帰のニュースは期待しかなかったけど、今回のアプリリアSBKファクトリー復帰のニュースは不安しか無い。
エスパル兄ちゃんの笑顔が消えない事を、重ね重ね切に願うばかり。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy