苦言化系能力者 前編

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焼肉屋に行って来た。

あ?だから何?

なんて言われても困ってしまうのだけど、ともかくそこらの焼肉屋に行って来た。

 

メンバーは、自転車乗ってきてお腹空いたお腹空いたと言ってる腕白坊主みたいな旦那さん、とその相棒君。
北海道からはちょい前に帰ってきて、もう日常生活に戻って、そしてこの暑い中自転車乗って遊んでる。
この日も、特にコレと言った用事も無くおじさん2人で岡山辺りまで自転車で行くと言う、良く解らない行動してたみたい。

往復で250km以上の走行距離。
一体、この人達は何処を目指そうとしてるんだろうって思うのだけど、まぁ元気なのは何よりだねと思う。
変な薬でもキメてなきゃ、元気なのは何よりだ。

 

んじゃ3人で焼肉屋に行くか?
って話してたら、遥か遠くから焼肉と言う言葉に高反応したかの一人の巨人が居た。
ここ最近また巨体化が進んで、ワンピースのデブキャラみたいな体型に成りつつ有る、そんな大巨人君からそのタイミングで連絡が入った。
何かご飯食べに行こうよと。

 

体中を埋め尽くす脂肪細胞が、肉と言う言葉に超反応したのだろうか?
なんとも絶妙なタイミングで連絡してきたので、んじゃ一緒に行くかと4人で。

巨体と言っても、流石に私の車には乗れるレベルだから大丈夫だ。
FD3Sの後部座席は厳しいだろうけど。
無理やり座ったら尻が抜けなく成りそうだ。

 

250kmも自転車で走りながら、エネルギーゼリーの他にはうどん一杯くらいしか食べてないと言う、食生活はカブトムシよりちょいマシ程度な人が2人。
そして、特に何もしてないけど、息するだけでエネルギー消費する大巨人。
注文の品はおのずと決まってくる。
焼肉屋で注文するお品はおのずと。

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まだ十代の頃。
女子高校生、なんて言うプレミアムなステータスを持ってた、そんな頃。
突然何事かと思うかもしれないけど、ともかくそんな頃の話をしてみようかと思う。

この日、まだ自動車の免許が取れる年齢で無かった私は、当時良く遊んでたお兄さん達に連れられ、山の中のモトクロスコースへと出かけていた。
あ、特にスケベな話には展開しないから大丈夫だ。

 

一通り走り回って、麦茶飲みながらヘバってると、見知らぬおじさんがやってきた。

今も昔も、見知らぬ誰かとフレンドリーに会話を交わすようなタイプの人間では無い。
オクラホマの陽気なボブおじさんみたいに、初対面の人間とハグしてバーベキューパーティーに誘うようなタイプでは無い。
だが、話しかけて来た人間を、有無を言わさずハイキックで沈める程に排他的な人間でもないので、まぁ適当に喋ってた訳だ。
何喋ってたか覚えてないけど。

するとおじさん、こんなことを言い出した。

『ダメだよ、バイクは乗るだけじゃ、自分で少しくらい整備出来るように成らないと』

と、そんな感じの事を。

どうやらこのおじさん、モトクロスには一家言あるようで、モトクロッサーに乗るなら自分である程度は整備しろよ、と言いたいらしい。
苦言を呈したいらしい。
だから、連れ立ってるお兄さん達に任せないで、自分の乗るバイクくらいは自分で整備しろよ、このクソガキが!と言いたいらしい。

何処の誰か知らない初対面の人にそんな事を言われる筋合いは無いんだけど、どうやらこのおじさんはとにかく苦言を言いたいタイプみたいな。
苦言を呈さずには居れないタイプみたいな。
苦言化系能力者みたいな。

 

 

長くなったので続く

MOTOR CYCLE

Posted by tommy