侵食が止まらない-2
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やっぱスナップオンってイイんですか?
国産工具しか使った事の無い多くの人が抱く至極普通の疑問。
やっぱ高い工具って良いのかな?
って事。
工具に求められるモノは、ネジの頭を出来るだけ痛めず、使いやすく、強度と耐久性が有る事。
これらが工具に求められ、これらの何れかが足りないモノは工具として落第。
でも実際の所、ホームセンターで売ってる工具はおろか、100円ショップのスパナでさえも必要にして十分な性能は持ってるとは思う。
別にダイソーのスパナだからと、バックミラー付けるのに折れたりしないものね。
勿論全てがそうでは無く、六角は何処だとか、ドライバーはあそこだとか、それぞれご意見は有ろうかと思うけれど、だからとノーブランド工具がダメかと言えばそうでは無い。
ノーブランドメーカーの工具にブランド名を印刷しただけの工具も勿論品質としては不足は無い。
PBのマイナスやWERAの六角レンチやクニペックスのプライヤーとか、唯一無二の工具は有るけれど。
クニペックスは最近はパク....クリソツなプライヤーも有ったり....ってのはともかく。
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で、結局の所、やっぱスナップオンってイイんですか?
私がそう尋ねた相手は前回書いたバイク屋の店長。
私がバイトしてたバイク屋の店長さん。
店長は語った。
スナップオンの素晴らしさを、スナップオンを使うメリットを、そしてスナップオンで無ければ成らない訳を。
ネットショップも近隣に輸入工具専門店も無かった当時。
バンセールが輸入工具購入先の中心だった。
今も人によっては、或いは店や会社によっては変わらずバンセールが購入元と成ってる場合も多いと思う。
バンセールの会社がFCに変わっても、そのスタイルは変わらない。
場合も多い。
精度が、耐久性が、保障が....
と言う話はまぁさておきとして、店長いわく
『格好は大事なんだよ、商売上、格好っつうのはな』
と言うこと。
例えば工場で機械を組み立てる場合。
そこで使う工具は、規格をクリアする精度を持ち、手に入りやすく、そして安い事。
工具はJIS規格をクリアしてる国産工具で申し分ない。
ミラー仕上げで有る必要は特に無いし、凝ったデザインのハンドルも必要は無い。
ただ確実にネジを締めれればそれで。
だが、客商売と成るとそれがそうも言ってられない。
単に機能だけ云々って訳には行かない。
普段はともかく取材が入った日の陶芸家や刀鍛冶はジャージでは無く作務衣を着るように
足元の悪い日の地鎮祭でも神主さんは長靴履いたりしないように
他人の目が有る状況において、やはり形にはこだわりたいもんだ。
だからバイク屋、それもお洒落系バイクショップにおいて、その顔とも言える工具類には気を使うのはビジネスとして当然の話なのだ。
建築用の両口ラチェットが秀逸だと言っても、中々お洒落系バイクショップでは使い難い。
フルパワーで締めれるラチェットレンチとして非常に優れている工具だが、少なくともノートンやドカやトラやアエルマッキなんかを扱う店ではちょっと難しい。
カブとベンリィとママチャリの店なら非常に良く似合うのだけども。
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意外に、と言うか凄く良い。
ラチェットでありながらフルパワーで締めてもビクともしない頑丈さは、そこらの自動整備工具とは訳が違う。
安物のスピンナハンドルよりも頑丈だと思う。
私は使う事はまず無いけれど、私の周囲で自動車の足回りを良く触ってる人は愛用してる工具。
バイクとは桁が違うパワーが必要な自動車の足回りにおいても、これならヘコたれる事無く使える頼もしい工具だ。
また、ギアレンチとも言える形状故に、通常のラチェットレンチではディープソケットが必要な場面でもそのまま使えるのが嬉しい。
お陰で、ママチャリを分解する自転車屋さんも使ってるとか何とか。
バイク屋とはバイクを売ると同時に信頼をも売る。
スナップオン使ってるから安心のショップ、なんてのは一切関係ないのだけど、工具がクッキーの缶に入れられてたらちょっと不安感を覚えてしまう人も居るだろう。
やはり、きちんと整理され、ブランドも厳選され、そして見た目も美しい工具が、客商売としては必要な事なのだ。
商売で有る以上は、ネジを締めれりゃそれで良い、って訳には行かない。
ダイソーのコンビレンチで締めてたら、大丈夫かこの店は?ってきっと思われるだろうからね。
信頼を売るには必要な投資。
不信感を与えず信頼を売る為の投資。
それがスナップオンなのだ。
スタビレーでもファコムでウーザックでも別に構わないんだけど、やっぱりスナップオンの響きは特別なモノが有る。
何度も言ってるけど、梨地フェチな私としては、スタビレーやファコムが好みなんだけど。
そもそもスナップオンはモトクロスのお供のF80とFKF80としか持ってないし。
砂場環境においては、F80に勝るラチェットは無い。
渋いから普段は使わないけれど。
工具の品質、痒い所に手の届く豊富なバリエーション、バンセリング、保障...
と、スナップオンを選ぶべく真っ当な理由は数多いが、やっぱり見た目ってのをそれに加えない訳には行かないだろう。
工具の見た目が綺麗だからと組んだエンジンがビンビン回る訳では無いけれど、それにお金払ってるお客に対するアピールは価格以上にモノを言うのだ。
カッチョイイものね、スナップオンの大きなキャビネットに煌びやかなスナップオンの工具がズラ~~って並んでたら。
足場用のラチェットでガリガリ言わせて組んでたら格好着かないので、やっぱりバイク屋にはスナップオン、もしくはそれに準じる工具は必要なのだ。
だがそれは、何もバイク屋に限った話では無い。
サーキットのピットにおいても、モトクロスコースでのコースサイドにおいても、その傾向は散見される。
これ見よがしにスナップオンのツールボックスをドン!と良く見える箇所に置いてる姿を。
ええ、スナップオン使ってんすよ、普通っすよ、普通。
って感じに、さりげなくも、それで居て唇を尖がらせて熱烈にそれを主張する。
使ってる工具も勿論スナップオン。
抜かりは無い。
有る人は、その光景を羨望のまなざしで見るだろう。
また有る人は、バカじゃ無いかと嘲笑うだろう。
そして圧倒的多数の人は、それがどうしたよと一切何とも思わないだろう。
あなたがどう思うか、なんてのは好きなようにどうとでも思えば結構だと思う。
どう思おうと、どうとも思わなかろうと、そりゃ自由だ。
ただ一つ言いたいのは、人ってのは格好着けたがるもんなんだよ。
特にバイク乗ってる人種は、その傾向が比較的強い場合も有る。
それが第三者に伝わるか伝わらないかは別として。
と、非常に長い話と成った訳だけど、実はこれがただの前置きで、本題は次回に続く、と言うお知らせで今回は終了しようと思う。
あ、毎度のように、余計な事は長々と書くけど本題はとても短いのでご安心を。