先生は熱く激しくかく語りき.....スパーキン!

何時だったかな。
もうかれこれ随分と昔の事。
100円ショップで買い物してた時の事。

その日、買い求めてたのは布団叩き。
叩き機能に加え、ブラシによるゴシゴシ機能まで着いた、お得な布団叩きを買い求めていた。
飴と鞭のように、撫でと叩きが使い分けれる便利な布団叩きだ。
布団から近所の悪ガキにまで、お寝坊さんを起こす朝の目覚ましから夜の大人のお楽しみにまで。
おはようからお休みまで使える便利な道具だ。

私の用途はモトクロス。
と言っても、別にバイクに取り付けて隣を走るバイクを攻撃する訳では無い。
そんなチキチキマシンみたいな事はしない。
ましてやヌルフフフと生ヌルい走りのライダーに喝を入れる為、尻をシバき倒す用途でも無い。

後片付けの際、モトクロス用のパンツに着いた土埃を叩いて落としたり、トランポのシートに着いた土埃を叩き落したり、そんな用途。
しゃもじでフェンダーの内側の土の塊を落としたり、なんてのとまぁ似たような感じ。
庶民の知恵って奴だ。

やってる事も庶民的なら、布団叩き自体も恐ろしく庶民的。
ZETAやantlionならジュラルミン削り出しの素敵な布団叩きを作ってくれるかも知れないけれど、ダイソーにそれを求めるのは酷な話だ。
プラスチックでイイじゃ無い。
庶民的でイイじゃ無いか。

私がもし大財閥の令嬢ならば、執事のセバスチャンが家紋の入った布団叩きでモトクロスパンツに着いた泥をパタパタしてくるだろうけど、残念ながら自分でやる。
庶民的でイイじゃ無いか。
庶民なんだから。

そんな、極めて庶民的なスーパーの2階に有る、極めて庶民的な100円ショップで、極めて庶民的な108円(当時価格)の布団叩きをカゴに入れようとした、その刹那。

『ちょっと待ちなさい』

と、知らない人から強い口調で咎められた、何か言われた。
知らない人から。
微塵も知らない人から。

年の頃は、まぁまぁなお年の女性。
孫のピアノ発表会を見に行った帰りのような、なんかやけに着飾った格好した女性。
勿論知らない人。
これからNHKのど自慢大会にでも行きそうなその女性は、私に向かって強い口調で口を開いたのだ。

『あなた、布団は叩いちゃダメな事を知らないの?』
と、何か良く知らないけれど、何かそんな事を突然言い放った。
布団叩きをカゴに入れた私に、なんかそんな事を唐突に語り始めた。
重ね重ね、勿論全然知らない人だ。

『そんな生意気言うのはこの尻か!修正してやる!!』
と言わんばかりに、布団叩きで尻をシバいてやろうかと一瞬思いながらも

『誰だお前ぇ、お前ぇなんかオラ知らねぇぞ』
と、往年のカカロットのような心境でその場を3倍界王拳で離脱した。
なんか怖かったから。

250年に1度訪れると言う、伝説のスーパー虫の居所の超悪い日ならスパーキン!してる所だったけれど、この日は通常モードだったので、特にスパーキン!する事もなく、このスパンキング先生から静かに逃れるのだった。

それから遥か時は流れたつい先日。
訪れたスーパーで再び先生に怒られた。
正確には、私の目の前で怒られてる人に遭遇した。
知らない人が、知らない人に怒られてる、そんな奇妙な光景に、何時か見たそんな光景に。

怒ってるのはまたしてもおばちゃん。
怒られてるのは私と同じくらいの年齢の女性。
21歳くらいかな。
もうちょい年食ってるかな。
まぁそんな感じ。
詳細は極秘だ。
レベルSS級の極秘事項だ。
尻の穴のシワの数に匹敵する秘匿レベル。
それがSS級。
要するに超内緒。

ともかく、そんな感じの人が、なんか妙な感じの人に怒られてたのだ。
スーパーに来店するや否や、無造作に素手で買い物カゴを掴んだがばかりに。

おばちゃんは熱く語り始めた。
スーパーの入り口で、声を張り上げながらえらく語り始めた。
コロナウイルスが手からカゴへと移動する、その危険性に熱く語りまくった。
感染のリスクについて蒸し熱く語り倒した。
授業が白熱するに従ってどんどん興奮していく数学の熱血先生のように。
コロナ先生は蒸し熱く滾りながら語り始めた。

そんなコロ先生の熱い講義と抗議を間近で聞いてた私は、このまま素知らぬ顔して素手で買い物カゴを掴んで良い物なのか、どうなのか?
それとも、この日着けてたイエローコーンのやたらめったらゴツゴツしたグローブをしておいた方が良い物なのか如何なものか。
1441ccのバイク乗ってネギとチクワを買いに来たこの日は、必要以上にゴツゴツした真っ黒けのグローブを装備してきたので、このスーパー内でも装備するべきなのか?
真っ黒けのゴツいグローブして片手にネギを持たねば成らないのか。
ダースベイダーのように。

一瞬、そんな事を頭を過ぎったのだが、そうこうしてる間にコロ先生は慣れた手つきの店員さんに連れられてどっか行ってしまったので、私はゴツゴツしたグローブをする事も無く平和なショッピングタイムを過ごすのだった。
ヌルフフフ。

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