バレンタインの思い出

中学生の頃から割と料理は得意だったので、バレンタインのチョコも自分で作っていた。
と言っても、スーパーで買ってきた製菓材料のチョコを溶かしてテンパリングして型に流すだけのチョコなのだけど。
まぁ普通はコレだけどね。
畑から作ったりはしないさ。
TOKIOじゃあるまいし。

 

テンパリングとは、温度管理するって作業。
溶かす温度、固める温度、作業する温度がそれぞれ決まってる。
チョコなんて鍋に入れて火に掛けたら溶けるし、それを型に流すとそのうち固まるのだけど、適当にやると凄くマズそうなチョコになってしまう。
と言うか、マズい。

最近は簡単に出来るチョコも多く発売されてるのだけど、昔ながらのチョコは、綺麗に作るのはあれはあれで中々に大変なんだよ。
湯せんして、温度測りながらシャッコシャッコ混ぜるのだけど、あれが中々にしんどい。
水入ったら終わりな作業なので気も使うし。
詳しく知りたい方は真っ当なチョコレート解説サイトでも見て頂けたら結構だ。
中々に難しいんだよこれが。

だから確かに適当にやれば、或いはヘタクソな人がやれば確かにマズいんだけど、それでもチョコには違い無いので、来月に手作りチョコを貰った人は、素直に喜んでおこう。
それが正しいバレンタインチョコの頂き方って奴だ。
貰ったもの、それも手作りのものにあーだのこーだの語るのはご法度だよ。
一口かじってから、チョコレートのテンパリングについて、ちょっとかじった知識で語るのは止めておこう。
特に男女の関係は、板チョコのように簡単に壊れてしまうのだから。

 

今でこそ、チョコレートの作り方なんてネット上に幾らでも有るのだけど、その昔はチョコレートを一つ作るのにも大変だった。
お菓子の本を買ってくる所から始まるから。
でもその本を読んでも、なんかいまいち良く解らないんだよ。
書かれてる用語からして何が何だか。

んな訳で、当時の女子中学生にとっては、チョコレートを作るってのはかなり難易度の高い作業だったのだ。
溶かして流すだけだろ?
なんて思ってる男の子には解らない苦労が有ったんだよ。

幸いに、私の母は割りと洋菓子作るのが得意だった。
温度計から大量のボールにチョコの型も有ったので、小学生の頃から私も教えて貰いながらバレンタインには作っていたのだ。
そう、実はそんな時期も有ったんだよ。
いやぁ、自分でもちょっと驚いたね。
びっくりですわ。

 

中1の時は兄用に一個と、後は適当に。
中2に成ってからは、今年は彼氏の分も作るよと話をしてたら、アタシも作りたーい、と。
中2からはそんな事を言い出した中学の友人達と一緒に作ってた。

作ると言っても、型に流す前までは一気に準備して、後は各人自分で型に入れて、冷やして固めてデコレーションして、ちょっとドキドキするお手紙添えて、って感じで。
そんなピュアな事をバレンタインの前にはやってたんだよ。

 

中3の時は結構受験で切羽詰ってたのでそれ所じゃ無かったんだけど、高校に入ってからはクラスの友人と3人くらいで作ったりしてた。
一度、みんなが作ったチョコがシャッフルされて、バレンタインデイ前にどれが誰のチョコか解らなくなったのは本当に困った。
全員同じラッピングペーパーを使ったのがそもそもの間違いなんだけど。

京都にそんな可愛いラッピング用品を売ってる店が有って、3人で買いに行ったのだけど、アレって選び放題の中から1枚選ぶのが非常に難しい。
これがいいかと選んだら、あの子の選んだ奴の方が可愛く見えたり、かと思えばあの子はあの子で私の選んだペーパーが気に成ったり。
高校生の頃って意見がフラフラと揺れる年頃なんだよ。

おいおい、さっさと決めろよ、ってうんざり顔の店員を尻目に、小一時間程掛けて選んだのは結局みんな一緒。
まぁそれが混同したそもそもの大きな原因なんだけど、それはそれで可愛い理由が有るんだよ。
高校生ならではの、ドキドキとハラハラの可愛い原因が。

 

昨今はお陰様で割と暇してるので、去年もバレンタインにチョコを作ろうか、とか思ったりもしたのだけど、結局は過ぎてしまったビターな思い出。
丁度その頃にニンジャの車検切れる人が居るので、その人にはバレンタイン替わりに車検でも通しておいてあげようと思う。
何年も放ったらかしにしてたのに、なんだってこの寒い時期に車検取ったんだろうって思うんだけど、まぁそれはそれとして。

後は....どうしよう。
もうちょい考える。
考えてる間に終わってしまいそうなら、ルックチョコレートでも渡しておくわ。

雑記

Posted by tommy