私の中の賢者が囁く

[adsense]

 

時に、突然舞い降りてくる。
それは賢者。
あなたの、そして私の心に降りて囁いてくる。
賢者が静かに囁いてくる。

 

特に用事も無いのに六甲山を自転車で登ってる時。
壊れやすくて遅くて乗り心地が悪くてエアコンも付いてないのに高い車に乗ってる時。
わざわざ新品のジージャンの袖を切ってみる時。

そんな、傍目からしたらご苦労様な生き方、ってのは本人からしたらそれはそれで結構楽しい物でも有る。
私も以前、真夏でもクーラーが使えず、おまけに高速道路上で燃えそうに成った車に乗ってた時期も有ったが、それはそれで楽しかったもんだ。

ただ、今現在、当時のミニに戻れるかと聞かれたら....
ハイローでラバコンを締めて10インチホイールとスプリットウェーバー組んでた当時のミニに戻れるかと聞かれたら、ちょっと視線を外してしまうのが正直なところ。
....ごめん、ノーマルの1.3SUシングルでイイかな?
って返答したい。
正直、ちょっと無理。
クーラー無しはちょっと無理。

 

でも、テンション上げ上げな時代は、エアコンが無くても、窓ガラスがクルクルハンドルでも、ハンドルが重くても、高速道路の継ぎ目でお尻が浮いても、それはそれで大満足なのだ。

 

[adsense]

 

 

http://www.nirinbanashi.net/ver-r/car/391

そんな普通の車の圧倒的素晴らしさを噛み締めつつも、それでもやっぱり自分の妙な車が一番だと、テンション上げ上げな時代はそう考える。

 

だが、時にフっと思う事が有る。
真夏、エアコンは付いてるのにスイッチ入れたらアイドリングが出ない車に乗ってると、フっと思う時が有る。
団扇で仰ぎながら真夏に乗ってると思う時が有る。

あれ?
私ってなんでこんな苦労して車に乗ってんだろうって。
高い金出してわざわざ.....

私の中に賢者が降りてきた瞬間。
上げ上げのテンションが、一気に真顔に戻る瞬間。
3人でカラオケ行ってる時に、同行した2名が揃ってトイレに行って自分ひとりが部屋に取り残された、そんな気持ち。
0.01秒でテンション冷えまくり。
心臓発作しそうな程に。

 

マラソンにせよ、エアギターにせよ、レースにせよ、スカイダイビングにせよ、飛び込み営業にせよ...

賢者が囁き出したらやってられない事なんてこの世には沢山有る。
沢山と言うよりも、それが圧倒的と言えるかも知れない。
テンション上げ上げで突き進まないとやってられない!なんて事の方が圧倒的だと。

 

だがそれは誰に何を言われる事でも無い。
全ては自分次第。
自分の中で囁く賢者に耳を傾けるか、あるいは耳を傾けないか、次第だ。

有る程度のレベルを超えた先へ突き抜けていけば、もう賢者は何も言わなく成るんだけどね。
究極の、さらにその先の領域に足を踏み入れれば賢者なんて何も言わなく成る。
その状態が傍目からしてどんな状態なのかは...についてはまぁアレなんだけど。

 

え?
家の中で自転車乗ってるの??

と、相変わらず理解されない。
外では殆ど自転車に乗らず、室内でローラーばっか乗ってる私の行動は相変わらず理解はされない。

 

そもそも自転車ってのは移動手段。
移動しない移動手段に乗ってて、そりゃあんた何やってんだ?と思うのも仕方ない。
特にスポーツサイクルに乗らない多くの人たちは、家の中でばっかり自転車乗ってる私の妙な、そして一切の生産性の無いその行動をさっぱり理解出来ないのも無理は無い。

だが、別にそんなのは気にしない。
誰が何を言おうと、そんな瑣末な事なんて気にしない。
時折降臨する、私の中の賢者の囁きに比べれば、そんな瑣末な事は気にしない。

ふ....そんな事、他人に言われるまでも無いわ。
自分自身が一番知ってるわ。
生産性の無い事、だなんて事。

 

そして私は今日もローラーに乗る。
特にZWIFTをする訳でも無く、ただ淡々と1cmも前に進まないローラーの上をせっせこペダルを回すのだ。
賢者の声を、シャオッシャオ言ってるローラーの音で掻き消すように。

 

Bicycle

Posted by tommy