五十歩百歩と言うけれど

五十歩百歩と言うけれど、実際の所は五十歩と百歩では随分と違ってくる。
昔は大雑把で良かった、って訳でも無いんだろうけど、今のご時勢五十歩=50フィート=15.24mも誤差が有ったらもう大変。
大型トラックが信号でそんな大雑把な止まり方してたら大惨事だし、電車ならホームを飛び出してしまう。
幾ら京阪電車と言えど、隣の駅まで届く、って程では無いにせよ。

まぁ、昔は昔で、五十歩も違ったらマンモスに踏まれるか否かの大きな分かれ目に成るので、やっぱり随分違うと思う。
うん、やっぱり違う。
目くそと鼻くそも、また随分と違うのと同じように。
ん?どんぐり?
いや....どんぐりは別にどうでもイイや。

 

五十歩と百歩は随分と違うのだけど、五歩と十歩はどうだろう?
建設現場の足場の上なら、五歩と十歩どころか、一歩が生死を分ける事に成るのだけど、マンモス相手にしたらあんまり変わらないかもね。
だから、まぁ場合による、って事にしておく。
その五歩の差が大きな差と成る場合も有れば、大して何も変わらないなって場合も有るのだから。

 

自転車を買いに行った、って話。
本当は前回この話を書く予定だったのだけど、余計な事書いてたらそれで終わったので今回こそ。

行ったのは都市部に有る大手ロードバイクショップ。
なんで、あんなに車や自転車で行きにくい所に作るんだろうね、とか思うけれど、電車では割と行きやすい都市部に有る大手ロードバイクショップ。
梅田ならウエパーやシルベスト、真ん中の辺りにはベックオンとワイズ、規模はちょっと小さいけれど走輪。
メーカー系ではトレックとキャノンデールが大阪の真ん中辺りに有る。
東京とは全てにおいて残念ながら比較には成らないのだけど、それでも大阪市内には数多くのロードバイク専門店が存在する。

もっとコアな店も色々と有るけれど、ブラっと入り易いのはこの辺りかな。
車ではどこもとても行きにくいんだけどね。
車乗ってタイヤなんか買いに行ったら、タイヤ代よりも駐車場代の方が高く成ってしまう事も有るのだから。
かと言って、スーパーマンみたいな格好して自転車で行くのも中々に根性が要る立地。
やっぱ、仕事帰りにスーツ着て行くのが一番似合ってるのかも知れない。
淀川沿い北部には、エプロンとエコバッグが凄く似合うロードバイクショップも有るんだけど、それはそれとして。

 

今回行ったのも大阪市内の大手ロードバイク専門店。
お目当ては、唐突にロードバイクに乗るとか言い出したご近所さん夫婦の買い物の付き添い。

前々から欲しい欲しいとは言ってたのだけど、昨今はあんまり人の多い所には遊びにも行きにくいし、お腹周りがワイドサイズに成ってきたし、と言う訳で。

 

 

予算に天井が無いのなら、一般的なロードバイクの形してるなら何を買おうとそりゃ自由だ。
モノホンのTTバイクはちょっと使い所が難しいけれど、オールラウンドに使えるバイクなら、好きなのを選べばそれで良い。
DOGMA F12 XLIGHTだろうが、別に構わない。
幾ら80km/h出る自転車だからと、初めて乗る人が漕いだ瞬間に80km/h出る訳じゃ無いのだからそれほど問題は無い。
所詮は人力。
免許取立てでNinjaH2やR1Mに乗るのとは訳が違うさ。
だから、予算が許すなら好きなのを買えば結構な話。
合う、合わない、ってのは別の話として。

 

ただ、そうは言っても、庭から石油が出るとか、おじいちゃんが大企業の大株主だったとか、息子が人気ユーチューバー等で無い限り、大体の場合は予算の縛りは有る。
残念ながらそれが現実だ。

と言う訳で、やっぱり考えるのはコストとパフォーマンスのバランス。
中年夫婦の運動不足解消に、フレームだけで90万円もするバイクはどう考えても不適だし、だからとアマゾンで2万円で売ってる7速は流石にねぇ。
その辺を考えたら、最初の一台としては大手メーカーのエントリーモデルが無難な選択だろうと言える。
自分でチェーン交換とディレイラー調整が出来る様に成れば海外のウェブ通販専用モデルに手を出すのも結構なのだが、そうでは無いなら何かと面倒見てくれる大手メーカーを大手ショップから買うのが良いと思う。
きっとそれが正解。
ちょっとも面白くないけれど。

 

ジャイアント、メリダの超大手台湾バイク。
アメリカさんちのトレック&キャノンデール。
ヨーロッパならビアンキかフェルト。
概ねこの辺りの大手ブランドのエントリーモデルの完成車が最初の一歩として間違いない選択だろうと思う。
大して面白くないけれど。

ただ、自転車って本当に数が多い。
もう訳わからない位に。
ジャイアントはオールラウンドに使えるロードは3種類、メリダは5種類。
ビアンキとフェルトは一杯。
キャノンデールもなんか一杯。
トレックもすっごい一杯。
数えるのも大変なくらい。

しかもコンポーネントによってまた分かれるので大変だ。
一体、この世にはどれだけの種類のロードバイクが有るんだろうと思う。
ロードバイクの需要なんてサッパリなこのご時勢なのに。

ビアンキはいっそ市松模様にすればこのドサクサに紛れて売れる可能性も有るかも知れないけれど。

 

さて、長考の末に買うべき、ご近所さんご夫婦のバイクは2台ともどうにか決まった。
後はコンポーネントを何を選択するかって、これまた難しい点。

スポーツサイクル界をいまいちご存知で無い方に説明しておけば、ロードバイクは大きくはフレーム単体での販売と、ペダル以外は全部付いた状態での販売の2通り有る。
前者はフレームだけを購入し、別にコンポーネントを組み付けてバイクを完成させる。
後者は工場出荷状態でクランクもディレイラーもコントロールレバーも組まれている。
多くはペダルを付けるだけ、場合によってはさらにホイールを付けたら乗れるようになる。

で、このコンポーネントは、メーカーは大きくは3つ。
シマノ、カンパニョーロ、スラム。
まぁ概ねこの3つ。
クランクに関してはFSAが付いてる場合も多いが、それ以外の多くの部品は大体はシマノかカンパニョーロ。
日本で売ってるエントリーモデルなら殆どがシマノかな。

で、さらにこのシマノ。
前回書いたつり用のリールと同じく、グレードが非常に細分化されている。
8速のクラリスから、最上級は電動11速のデュラエースR9150まで。
ちなみにお値段は、クラリスが4万円でお釣りが来るくらい。
R9150なら、40万円持って行ってくださいね、ってくらい。

その間を埋めるのは、9速のSORA、10速のTiagra、11速の105、同じく11速のアルテグラ。
ギアの段数が変わり、その他もそれぞれちょっとずつ違い、値段も少しずつ値上がりする。
一つ一つのグレードの違いはちょっとした違いだけど、ふと気づくと随分と値段は違ってくる。
もちろん、モノも随分と違う。

だが、値段は10倍するけれど、2倍くらいのスピードが出る訳でもない。
軽いし、剛性高いし、気持ちイイし、格好イイし。
で、それを総合して100km走ったらタイムはちょっと短くなるだろうけど、だからと一気に平均速度が10km/hも上がるわけでは無い。
最高速なんてもっと変わらん。
タイヤやホイールならちょっとは変わるだろうけど、エンジンが変わらん限りは残念ながらスマンかったとしか言い様は無いのが現実だ。 
ああ、そりゃスマンかった。
でも、格好イイんだからそれでイイじゃないか。
もっとも、最近は最廉価モデルのクラリスでも触覚は無くなったので、それだけでもう十分なのかも知れないけれどね。
コントロールレバーが格好良いとか悪いとか、そんなの自分以外の誰も気にしない事なんだから。

 

そんな具合にコンポーネントには大きな価格差が有るのだけど、大手メーカーのエントリーモデルでは、大体は10速のTiagraかちょい安いのに9速のSORA。
もうちょい高いのには11速の105が組まれている。
でもこれもまた、ちょっと出したら105までならバージョンアップ出来る、とてもいやらしいビジネスモデルで、バイクによってはさらにアルテグラまで組まれてたりする。
どうせなら、長いこと使うんだからもう少しグレード上げた方が快適ですよ!な空気がとてもいやらしい。
そして悩ましい。

でも、今後の事を考えたら何かと便利な105が良いとは思うのだけど、Tiagraだからダメな訳でも無いのが難しい話だ。
9速はちょっとなぁ、って気はするけれど。
流石に世間様よりギアが2枚少ないのはちと心許ないけどね。
幾ら触覚は無くなったと言ってもなぁ。

 

まだ1mmも乗ってないのにヘトヘトに成りながらどうにか決まったのだけど、つくづく大変な作業だよ。
ロードバイクを買うのってのは。

その点、オートバイは簡単だね。
250ccの国産トレールバイクを買いたい、って思ったらCRF250Lしか無いものね。
後はラリーか、えっと....KLX230?
他に選択肢は皆無なので悩みもまた皆無。
とても簡単、
それが良いのかどうかは知らないけれどもさ。

 

Bicycle

Posted by tommy