オリンピックキック

モトクロスやってた高校生当時、時々行ってたコースに私の幾つか年下の少年が居た。
身長は160cmも無かったと思うな。
それでもKX125だったかを華麗に乗るナイスな小学生だった。
小学生のくせにナマイキにも125。
中学生だったかも??
ん、まぁいいか。

160cmも無い少年が125ccのモトクロッサーに乗る場合、一つ大きな問題が有る。
それはスタート。
走り始めたら転ばない限り足着かなくても問題ないのだけど、コースの途中で転んだらこれが非常に困るのだ。
誰もビール箱やお風呂の椅子なんて持ってきてくれないので、足の着かないバイクを自分でキックしてエンジン掛けねば成らない訳だ。
足ツンツンの人はみんな苦労してるこったろう。
勿論私も苦労したさ。

その少年のキックは、誰にも真似出来ない荒業、その名はオリンピックキック。
ちなみにそのダサい名前は今思いついた。

この少年、実は物心着いた頃より体操教室に通ってたらしい。
オリンピック選手も輩出した事の有るらしい、由緒正しい体操教室で小学校に入る前から本気でトレーニングしてたんだとか。

とは言え幼少期からやれば誰でもオリンピックに出れる訳じゃ無い。
モトクロス始めた頃にはすでに体操には見切りを着けたみたいなのだけども、それでもそこらの人に比べれば身のこなしは全く別物。
ウチの旦那さんは、ジェットリーっぽい顔立ちと雰囲気してるけど、身のこなしではジェットリーにもこの少年にも多分負けると思う。
逆立ちも出来ないんだからそりゃそうだろうけど。

でもこの少年は、幾らオリンピック選手からは漏れたと言っても多分大車輪も出来ると思う。
バク転くらい、うどん食べながらでも出来そうだ。

そんな彼は、停止したKX125に左足を掛けて跨り、そしてキックしてエンジン始動、クラッチレバー握ってローに入れたら発進。
と言う一連の普通の動作を、足着かずにやってのける普通じゃない人なのだ。
しかも二発三発四発五発と、上体でバランス取ったまま足着かずにキックするのだ。
なんだろう?
なんか凄い。

バランス感覚が優れてるからモトクロスも速いかどうかは別だけども、世の中にはなんか凄い人が居るもんだと思った私。
トライアルの方に行った方がイイかも知れない。

なお、その頃私は、立ちゴケでド派手に顔面から落ちて危うく首が折れそうに成ったのだけど、一体何が原因かはシークレットだ。
大いなる秘密。

….無理だって。
足着かずにキックなんて絶対無理だって。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy