トルクレンチは最低3本は必要な理由-2
さて、ここから本題。
トルクレンチのお話。
QLシリーズのスペック
QL10 | QL15 | QL25 | QL50 | QL100 | QL140 | QL200 | |
トルク調整範囲 [N・m] |
2~10 | 3~15 | 5~25 | 10~50 | 20~100 | 30~140 | 40~200 |
ドライブ | 6.35 | 6.35 | 6.35/9.53 | 9.53 | 9.53/12.7 | 12.7 | 12.7 |
適用ねじ(普通) | M7 | M8 | M8 | M10 | M12/M14 | M16 | M18 |
適用ねじ(ハイテン) | M6 | M6/M7 | M7 | M8 | M10 | M12 | M14 |
全長[mm] | 218.5 | 218.5 | 237 | 260 | 335 | 400 | 490 |
東日のプリセット形トルクレンチの定番=QLシリーズのスペック。
ワイドレンジモデルは除外。
トルクレンチの選定
前回掲載したゼファー1100のヘッド及びクラッチ周りの締め付けトルクは↓
・9.2~ 11 [N・m]
・20~40 [N・m]
・130 [N・m]
バイクや触る部分によって勿論さまざまだけど、ゼファー1100のヘッドとクラッチ周りの場合は概ねこんな所。
これらのボルトの場合、東日QLシリーズで選択するならば、QL15、QL50、QL140。
この3本。
さらにQL25も有れば言う事無いが、コストダウンを目指すなら涙を飲んで上の3本か。
もし130N・mのクラッチボス以外にも140N・mを越える強トルクが必要なボルトが有るならば、QL140はキャンセルしてQL200を選ぶ方が経済的。
そうじゃなくても最初からQL200を買っておいた方が使い道は広がるかも知れない。
大は小を兼ねるって言うし。
まとめると、今回の条件に適用するトルクレンチはQL15、QL50、QL140(QL200)の3本。
だが、仮に最も小さい締め付けトルクが11N・mの場合だとしても、それをQL50で賄うのはお勧めはしない。
10~50N・mに対応するQL50で行けそうな気もするけれどお勧めしない。
トルクレンチには適合するボルトも決められている
仮に最も小さいトルクが11N・mの場合だとしても、QL50で賄うのはお勧めはしない。
10~50N・mに対応するQL50で行けそうな気もするけれどお勧めしない。
その理由は前回冒頭に書いたように、大きなトルクレンチで小さなボルトを扱うと、折れてしまう可能性が捨てきれないから。
トルク調整範囲内のトルクレンチ使って折れるのか?
って思う方も居るかも知れないけれど、これが残念ながら折れてしまう事も有る。
幸いな事に私は折った事無いけど折った所を見た事は有る。
締付けトルクは適合してるけれどねじ径には適合していないのがその原因。
トルクレンチには、締付けトルク以外にも推奨ねじ径も指定されている。
上の表にも記載しているけれど、同じ11N・mの締め付けトルクをカバーしてるトルクレンチでも、QL15のM6に対してQL50はM8が推奨されている(共にハイテン)
QL50は全長260mm(有効長180mm)も有るトルクレンチ。
KTCの12.7sqスタンダードラチェットレンチより全長では10mmもまだ長い大きなレンチなので、二面幅10mmのM6ボルトを相手するには余りにも大きいのはお解り頂けるだろうと思う。
ん、そりゃ余りにも大きい。
M8ボルトを相手にするのでも十分に大きいのだから、M6にはちと大き過ぎる。
M8ボルトを11N・mで締め付ける場合にはQL50でも問題は無いのだが、そんな機会は滅多に無いんじゃ無いかなって思う。
M6ボルトには、QL15を使うべきでQL50は使うべきではないのがその理由。
20N・mで締め付ける場合にQL100を使うべきで無いのも同じ理由。
悲しい思い出を作りたくないならトルクレンチはボルト径にも合わせる必要があると言う事。
要するに、そこそこの本数要るよね、って訳だ。
大は小を....
一杯要るので少々お金は余分に掛かるけれど、ボルトを折るよりは随分マシなので、細いボルトは出来るだけ小さめを使うのが幸せへの道だろうと思う。
上で書いた事とはちと矛盾するけれども、細いボルトを扱うトルクレンチに関しては大は小を兼ねてくれないのだ。
トルクレンチに限らず、工具は数が有れば有るだけ便利なのは言うまでも無い。
ドズル中将の言葉を引用するまでも無く、数は有れば有る程に良いのは言うまでも無い。
そうは言っても全種類コンプリートってのもマニア以外にはお勧めしかねるので、マニュアルの締め付けトルクと睨めっこして必要なトルクレンチを買い揃えよう。
ただ、幾ら睨めっこして所で結局の所、大体のバイクなら
QL15 / QL50 / QL140(QL200)
この3本は外せないんじゃ無いかと思う。
結局この3本は最低ラインとして必要かと。
なお、クラッチセンターみたいな所はQL140だろうとQL200だろうとどっちでも構わない。
普通の人間が普通に手で締める限りあんなの破壊出来る訳は無いので、レンジが広いQL200の方がイイんじゃ無いかなって思う。
レンチの長さも長いから高トルクも出しやすいしね。
このサイズに成れば、大は小を兼ねてくれるので1つ大きい方がより便利じゃないかなと思う。
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