名前の呪縛
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名前。
生まれながらにして、大きな十字架を背負わされる事もある。
その名前によって。
ただ、それは名づけた両親が悪い訳は無く、どうしようも無い場合も時に有る。
誰も一切悪く無いのに、結果として名前に縛り付けられ、そして人生に何かしらの影響を及ばされる事が。
ちなみに私、自分の旧姓で検索したら神戸の奥様系風俗嬢が出てきたんだけども、残念ながら別人だ。
幸いにして、直接私宛にご指名の予約が入ったりする事は無いので、特に実害は無いのだけども。
でも、これが札幌とか東京とかアゼルバイジャンなら同姓同名でも別人だって誰からも解って貰えると思うのだけど、地元だとちょっと色々と誤解される可能性も無い訳では無い。
本名でそれ系の仕事する人は居ないので、恐らくはお店が着けた名前なんだろうけど、もうちょっと誰にも被らないような名前にしちゃくれないかなぁって思ったりする。
せめて苗字は名乗らないでよと。
余談だが、旦那さんの名前を検索したら痴漢だか覗きだか幼女に悪戯しただかの人がヒットした。
ちなみに、これまた結構近所にお住まいで、年齢も大体一緒の人。
逮捕当時のアリバイは有るので別人だと言う事は完全に立証出来るのだけども、誤解される可能性も無い訳では無いので早くネットからその名前が消えないかなぁって思ってる。
子供は居ないので
「お父さん・お母さんの名前をグーグルで検索してみましょう」
なんて物騒な事件に巻き込まれる恐れは無いのだけども。
その点に関しちゃ良かったと思う。
お母さんが風俗嬢で、お父さんが変態なら目も当てられないのだから。
似たような物な気がしないでも無いけど。
名前の呪縛。
怒亜羅（どあら）なんて名前着けられたら名古屋から出れない。
後醍子（ごだいこ）なんて名前着けられたら隠岐に流さざるを得ない。
死虎艶（ですとらーで）なんて名前着けられたら西部沿線以外には住めない。
世にはそんな逃れ得ない名前の呪縛が有る。
恨むならハッチャケた親を恨むがイイ。
だが、苗字の場合は、それも至って平凡な苗字が呪縛の根源な場合、誰にも責任が無い以上、事態はより深刻と言えなくも無い。
昔の知り合いに、本田と言う人が居た。
この日本に数限りなく居るとても平凡な苗字の本田君。
だが、バイクに乗る場合、その至極平凡な苗字が呪縛となるのだ。
CBRに乗ったら、やっぱ本田だからですか？
とか言われたり。
今度はFZRに乗ったりしたら、本田なのにヤマハに乗るんですか？
等と言われたり。
寅楠の方の山葉さんや虎夫の方の山羽さんは少数派だと思うけど、鈴木さんや川崎さんと同じく本田さんは日本では多数派だろう。
分母が多ければ、バイクに乗る人もきっと多い。
だからこの世に数多く居るだろう、バイクにお乗りの本田さん、鈴木さん、そして川崎さんはこう言われるのだ。
本田さんだからホンダに乗ってるの？
本田さんなのにホンダに乗らないの？
鈴木さんだからスズキに乗ってるの？
鈴木さんなのにスズキに乗らないの？
川崎さんだからカワサキに乗ってるの？
川崎さんだからカワサキに乗らないの？
何度も何度も、来る日も来る日もうんざりする位。
ちなみに上記した本田さん。
当時はKXに乗ってたと思う。
本田なのにKX乗ってるの？
なんて事言われてたけど、気にせずにKXに乗ってた。
そして街乗りではGSX-R400とかセローにも乗ってた。
本田なのにGSX-R？
本田なのにセローなの？
等と言われてたけど、気にせずに。
気にせずに、は語弊がある言葉かも知れない。
頑なにと言うのが正解かも知れない。
そう、この本田君は頑なにホンダに乗らないのだ。
CRがどれ程、CBRが、そしてNSRやXRがどれ程素晴らしいバイクだとしても、決してホンダには乗らない。
ホンダの名を持つのに、否、ホンダの名を持つが故と言うのが正解だろう。
頑なに拒絶するのだ。
本田君は、ホンダに乗るを頑なに拒絶する。
これも呪縛なのだろうと思う。
本田で有るが故に、あえてホンダ以外を選ぶ選択をしてしまう、ある種の呪縛なので有ろうと。
随分前に疎遠に成ったので、今は何処で何をしてるのかは知らないけれども、きっと今もバイクに乗ってたら言われてるんだろうと思う。
本田なのにホンダに乗ってないの？
と。
名前の呪縛は続く。
婿養子に入るまで、永遠に。
でも、婿養子先が鈴木さんや川崎さんや山葉さん、家業の蕎麦屋の名前が土家亭さんならまた新たな呪縛が現れてしまうので、婿養子先の名前には重々注意を払いたい。