レースは最初が肝心

こちらにこんな記事が有る。

https://www.crash.net/motogp/news/945659/1/nakagami-p7-nothing-great-opportunity-win

 

要約すると、7位じゃちょっとなぁ、勝てる機会だったんだけどね、との記事。

7位で終わった決定的な要因はタイヤマネージメント。
レース前から本人はそう言ってたのだが、まさにコレ。
ただし、後半にタイヤがズルズルに成った、って訳では無く、前半に抑えすぎたのが原因。

これがガソリンなら、今のMotoGPマシンはちゃんと走りきれるように上手い事燃料の噴射量を自動的に調整してくれる。
だから通常は途中でガス欠には成らない。
だがタイヤのマネージメントに関しては全てがライダーの乗り方ひとつなので、これがとても難しいのだろう。
MotoGPマシンで24周走った経験は無いので知らないけど。

 

At the end of the race, I was absolutely the fastest rider, because I still had quite a lot of grip on the rear.

レースの最後の方では最速だったよ。
だってまだリアのグリップは残ってたんだから。

そんなコメントが有るのだが、実際にはどうなのさってのがこの記事にグラフとして載っている。
ただ、とても見難いのでちょっと整理しておいた。
比較対象は、2位のジョアン・ミル、そして前半飛ばし過ぎて後半はバテたけれど5位に入ったジャック・ミラー。
そう、J.MirとJ.Mirとの比較だ。

グラフの横軸は周回数で、縦軸はタイム。
上に行くほどタイムは遅い。

 

一周目のタイムは、トップのモルビデリは1’44.833、4位のミラーは1’46.291。
一方、我らが中上君は1’47.548。
オープニングラップでミラーとは約1秒のタイム差、トップのモルビデリとは2.7秒もの差が着いてるのが解る。
これはひとえに飲み込まれたから。
リンスやドヴィさんやアレックス・マルケスにも先行され、集団後方に沈んだのが原因。
2列目からのスタートなのに飲み込まれたビニャーレスは居るけれど、せめて2列目からスタートしてればこの1周目のタイム差はもう少し小さかったかも。

そして2周目以降、ジャック・ミラーは調子良くブリブリ飛ばして40秒台。
4周目には自身の最速タイム1’40.296を出す。
一方その4周目、未だ飲み込まれ中の中上君のタイムは、1’41.180。
この時点でトップからは5.477ものタイム差。

だが7周目くらいから安定して好タイムを出して行き、10周目辺りまではミラーとほぼ同タイム。
11周目には自身のトップタイムで有る1’40.538を出す。
それ以降はミラーが消耗してどんどんタイムを落とす一方、中上君は好タイムを維持し、2位に入ったミルと遜色ない、それ所か何度も上回るタイムを刻む。
そして終盤、21周目には0.02秒差で2番手、22周目はトップ、23周目は0.07秒差で2番手と、実際にラスト数周はトップクラスのタイムを出している。
序盤での飲み込まれさえ無ければトップ5、もしかすると表彰台も有り得た、かも知れない。
少なくともミラーは捕らえれた可能性は大いに有る。

 

終わったレースに今さらタラも無ければレバも無いのだけど、スタートのグリッドさえもう少し前ならと、非常に悔やまれる結果だ。

マルク・マルケス専用機と言われるRC213V、それも昨年モデルで走ってるんだからシングルフィニッシュしただけで大健闘と言えるのだけど、それじゃ物足りなくなったのはやはりトップライダーの仲間入りを果たそうとしてる今だから言える事なんだろう。
15位辺りが指定席なら、本人含めてこんな事は誰も思わないのだから。

 

次はフランス。
スタートを上手い事切るには、やっぱり予選が重要だ。
何処からスタートしてもあんまり変わらないリンスみたいな真似や、最後尾からスタートしても優勝できるマルク・マルケスみたいな真似は普通のライダーはそうそう出来ないので、昨年の7番グリッドを上回る予選成績を収めれる事を祈ろう。
予選さえ上手く行けたら後はどうにか成る、かも知れないのだから。

 

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy