本田先生とカレックス先生の次回作に期待しよう

レプソルホンダがカレックスのフレームを使う!
そんなニュースが飛び交っている。

事の始まりは昨年。
レプソルホンダがカレックスのスイングアームを使ってる、ってアレ。
まぁまぁ良かったから、今度はフレームを使うわ、って話が上がってる。

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昨年、バイクレース界を支配したのはDUCATIと言って過言ではない。
GPとSBKのダブルウインなんて、2021年のヤマハの他には.....えっと、興味のある人は調べてみよう。
そのレース界で絶好調なDUCATIは売上げも絶好調で、約11億ユーロ=1500億円程度の規模と成る。
アプリリアを含むピアジオグループ全体の売り上げがそれくらいなので、如何にDUCATIの業績が好調なのかがお分かり頂けるかと思う。

だがホンダは、皆様重々にご存じだろうけど世界の二輪業界を支配する大巨人。
そんな大巨人様のホンダ様は、二輪だけで2兆円超えと、絶好調バリバリなドゥカティが幾ら頑張った所で比較するのもスマンかったと言える大きな大きな規模の大会社様なのだ。
カンツォーネを歌いながら、どんなに頑張ってパニガーレを生産した所でホンダ様には到底追いつけない。

そんな大巨人様で有り二輪界の支配者様のホンダ様が、カレックスのスイングアームを使うってだけで凄いニュースだったのだけど、今度は有ろう事かメインフレームまで使おうってんだから、その衝撃度は計り知れない。
テクニカルマネージャーがスズキの人に変わった今年、肝心のバイクまでもがホンダ成分がどんどん希薄に。
これで、ずっと言われ続けてるように、マルク様とプーチ様が辞めたらどうなる事やら。

 

カレックス

Alex Baumgärtelさんと、Klaus Hirsekornさんの二人が起業したので、二人の名を取ってKALEXと成った。
ゴンザレス三上xチチ松村でゴンチチになるように。
悟空x天津飯で悟飯、悟天になるように。

創業者の2人は、元はドイツに有る四輪のレーシングコンストラクターHolzer Motorsportで、DTM用のマシン開発をしてた人。
バイクが好きだったことも有り、ドイツ国内用のレーシングバイクから、ロータックスのエンジンを積んだオリジナルバイクのAV1の開発を経て、会社が設立されたのは2008年。
創業から20年も経ってない、まだまだ新しい会社だ。
会社の場所は、その二人の勤めていたHolzer Motorsportの横、と言うか敷地内と言うのか。
両社には資本関係とか有るんだろうけど、その辺は良く解んねぇや。

moto2が開催された2010年、ポンスレーシングにシャーシを提供したのが現在のKALEX最強伝説の始まり。
ファーストイヤーはモリワキがタイトルを取ったが、その翌年、2011年のブラドルから昨年の2022年のフェルナンデスまで、2012年のただ1回(マルク・マルケス&SUTER)を除いた全てのシーズンでmoto2でのタイトルを獲得している。
それは今年も同じで、アコスタでもロバーツでも僕らのアイちゃんでもまさかのサム君でもそれ以外の多くの人でも、誰が勝ってもやっぱりカレックス。
MVアグスタやボスコスクーロ(旧スピードアップ)も出てるのだけど、タイトル取れるかと言えば、そりゃ私の口からは何とも。

ホンダのテストライダーで有るドイツ人のブラドルが、カレックスとホンダとを繋げたんじゃ無いかと適当な空想を膨らませがちに成ってしまうけれど、その辺については....??
そのうち、宮城先生か、あるいはRIDERS CLUBかRACERS辺りが解説してくれるんじゃないかな。
どうだろう。

 

で、そのカレックス謹製フレームは、4月末の第3戦へレス直後、5月1日のオフィシャルテストに持ち込まれる予定。
或いは、そのへレスのレースに、ブラドルがカレックス製フレームのバイクで走る可能性も有る。
レギュレーション上ではフレームの変更は許されているので、テスト結果が良好ならその後に実戦投入される可能性も有るのだけど、シーズン途中に一日だけ行われるオフィシャルテストでは、通常そんな大がかりなテストは行わない、ってか行えないのが普通だろう。

ちなみに昨年のへレステストでは、まだ王者には成ってないバニャイアはこんなコメントを残している。
『Today our work programme was fortunately not intense and I only had to try one different setup.』
別のセットアップを試しただけだよ

って、まぁそんな事を。
バニャイアの場合は肩を怪我していた影響も有るんだけど、通常はセットアップの変更やエアロデバイスの検証がメイン。
ここでメインフレームのテストまでやるチームは、あんま無いんじゃ無いかな。
したがって、今シーズンにカレックス製フレームがデビューするのか、そもそも本当にカレックス製のフレームが機能するのかは未知数だ。
もしかしたら我らが中上君にテストとして先行投入されるかも知れないけれども、それでもやっぱりマルク様に納得頂けるか否かは....どうだろうね。

何においてもトライアルとエラーは必要不可欠だ。
特にレーシングマシン開発なんて幾らコンピューターでのシミュレーションが進んだとしてもそれを避ける事の出来ない事では有る。
では有るのだけど、1980年代から最強を誇る世界のホンダがシーズン途中でメインフレームを他社製に変更するかも知れないなんて、通常は考えられない非常事態だろう。
そんなトライアル、5年前のオフシーズンに済ませておいてくださいよ、って話だから。

でも、そんなプライドも何もかもをぬぐい捨ててまで、やらなきゃ成らんぜって結論に成ったんだろう。
そもそも、ウイングにスプーンにハイトデバイスにシリビーレにと、DUCATIの後ろを着いてってる昨今では、プライドなんて言ってる状況じゃないのかも知れないけれどね。
今まで誰もやってないからV5をやるんだ!なんて言ってた時代は遥か昔の話。
そんなの余裕が有った頃だから言える話で、開幕直前のテストでさえ黒いアッパーカウルな現状では、余裕なんて有る訳無いぜって話だ。

 

このフレームで良く成ったら結構だけど、良く成ったら成ったで、これまた色々と禍根を残しそうな気もするこの大英断。
バイクはともかく、チームが崩壊しかねないものね。
なんでこんな事に成っちゃったんだろうかと嘆いても仕方ないので、本田先生とカレックス先生の次回作にともかく期待しよう。
いやぁ、それにしても、なんでこんな事に成っちゃったんだろう。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy