第一印象が9割

例えばクラスメイトだったり会社の同僚だったり。
それら長い付き合いが強制される人間関係においては、第一印象は必ずしも絶対では無い。
第一印象が悪くてもその後の付き合いで関係が変わる事も有れば、逆に第一印象が良くてもその後に評価が覆る事も有るのだから。
だから初対面のご挨拶で、往年の涼宮さんの真似をしてえらい事に成ったとしても、その後に挽回するチャンスは有るのでしっかり生きようぜ。

だが、ほんの一瞬の出会い、ほんの一瞬に付き合い方を判断しなければ成らない場合、第一印象や上っ面の見た目は非常に大きなウエイトを占める。
ミネバ・ザビがドズル似だった場合は、バナージ君のとっさの行動はおのずと違ってただろうし、その後の展開も随分と違う物に成ってのは言うまでもない。
自動車の爆破に耐えられるドズルに似てるなら、コロニーの上から落ちても平気な気はしないでもないけれど。

また、隣の席で僕の事をからかってくる高木さんが、またしてもドズル似だった場合も、物語は随分と違ってくる事と成るだろう。
ドズル似にからかわれたら、西方くんはブチ切れて殴り掛かるかも知れない。
逆にボコられそうな気もしないでも無いのだけど。
まぁどっちにしても話は変わってくるのは避けられない訳だ。

スターウォーズのパドメだろうと、フィギュアスケートの人であろうと、少年少女のアイドルグループだろうと同じ。
どれもこれもがドズル似だったら、その後の展開は大きく違う物と成っただろう事も、また。
あの顔で、あのガタイで、肩にトゲ生えてたら、良くも悪くもそりゃ人生は違ってくるさ。

ほんの一瞬の出会い、ほんの一瞬に付き合い方を判断しなければ成らない場合、第一印象や上っ面の見た目は非常に大きなウエイトを占める。

 

 

ほんの一瞬のエンカウントでその後の付き合いは判断される。
その最も顕著な事例は、ネットの記事やネットショップでの商品名。

例えば、アマゾンでLEDライトを検索したらこんなのが出てくる。

【2023最新ディジタル電気量】懐中電灯 軍用 最強 超高輝度 950000ルーメン ペンライト Type-C USB充電式 ledライト 9000M 超長遠射 超強力 ハンディライト 明るい 5モード調光 ズーム調整可能 軽量小型 フラッシュライト ハンドライト 手持ち 作業用 携帯ライト 26650 18650 電池式 AAA電池が適用 防水 防災 新型 へっとライト 登山 夜釣り用 電力表示 ランタン キャンプ アウトドア 地震 停電対策 「大容量26650リチウム電池付き、Type Cケーブル、18650電池プラスチックチューブ×1、3 * AAA電池ホルダー×1、日本語マニュアル」

情報量が多すぎて何のこっちゃか分からなくて、結局商品名は何やねんって思いをしてしまうのだが、ネットショップにおける大前提としては、まず検索される事が何よりも何よりも何よりも重要となる。
この商品は、义乌市酷爆照明科技有限公司が作っているF-335って品番の商品なのだが、义乌市酷爆照明科技有限公司 F-335ってタイトルを着けたら、ほぼ100%検索されることは無い。
検索されない以上売れる事は無いを意味する。

このカタコトアンドロイドのような単語の羅列は、全てサジェクトキーワードに基づいて着けられる。
順番を含めたこのキーワードの羅列がネットショップの根幹を成すSEOの基本なので、商品名の文字数制限が成されない限りは、このカタコトタイトルは続く事と成る。
だって、検索されなきゃ全くお話に成らないのだから。

つまり、第一印象がとても大事なのだが、その第一印象を与える事はあくまで最初の一歩な訳で有って、最初の一歩にすら及んでないならそもそも話には成らないって事なのだ。
検索されないって事は最初の一歩にすら及んでないので、誰の目に届かないって事を意味する。
例えばバナージ君がうんこしてる間にミネバが落ちたり、高木さんが他所の学校だったりした場合は、最初の一歩にすら及んでないのでお話には成らないって事だ。

ネットショップの基本は、商品タイトルのSEO対策と、検索された後で表示されるサムネイル画像の作り込み。
これがまずすべき事の基本のキ。
つまり第一印象を整えるって事だ。
アマゾンを皮切りに、楽天もYahooも画像の加工には規制が入ってるので、形振り構わずやり放題、って訳には行かないのだけども、それでもレギュレーションの範囲内で鎬を削るのが、このネットショッピングモールでの戦いなのだ。

この手の単語の羅列の商品名、スーパー玉出みたいな楽天の商品ページ、ガイドラインが変わっても未だゴテゴテしたYahooショッピングのサムネイル画像。
消費者側からしたらそれはあまり好意的に受け入れられない事なのかも知れないが、検索に引っかかって、引っかかった数万ページの中からクリックやタップして貰い、そしてカートに入れて貰わないと成らない訳。
検索にほとんど引っかからないタイトルを着けて、何の印象も無く興味も引かないサムネイル画像を載せてたら、その商品は見られることは無い。
見られる事は無いって事は売れる事は無いって事を意味するので、売ってる側は必死なんだよって事でご了承をって事で。

 

第一印象を必死に取り繕うのはネットショップだけではない。

 

6速MTあり! 95馬力の「660ccエンジン」搭載した新型「2シータースポーツ」発表! 軽量ボディの「爆速モデル」 新型デイトナに反響多数

基本的に間違ったことは言ってないので詐欺とは言えないだろうけど、どう見ても釣りタイトルで有る事に違いは無い。
爆速かどうかは意見が分かれるかも知れないが、6速MTが有って95馬力で660ccで2シーターな事に間違いは無いのだから。
間違った事なんて何も言ってないさ。
悪質なだけで。

さっぱり内容の無い記事なので、余程時間が有り余ってる人以外は開ける必要なんて無いのだけど、要するにトライアンフのデイトナ660を軽自動車のスポーツカーと誤認させる事でアクセスを拾おうと、そんな浅ましい魂胆で着けられたタイトルと、わざと誤認を誘う不明瞭なサムネ。
中身は特に何もないので開ける必要は無い。
バイクの事を2シータースポーツと表現する人は私の人生において出会った事は無いのだけど、まぁ間違ったことは言ってないよね。
悪質なだけで。

ネットの記事は開けて貰う事が何よりも重要な事だ。
どんなに素晴らしい記事を書いたところで、誰も開かないならそれは存在しない事と同義なのだから。
それは従来の紙媒体よりもシビアなポイント。
前の方から順番にペラペラとページをめくる雑誌なら、どれがどんなタイトルだろうと自然に目に着く可能性は有りえるのだが、ネット記事の場合はタイトルがどうしようもなければ、それがどんなに素晴らしい内容でも誰も見てくれない事と成る。
逆に、タイトルさえ大いに興味を引く物ならば、それがどんなに空虚な記事でも開かれる事は可能と成る。
せっかく開けた中身が糞袋なら読者は大層がっかりするのだが、開らかれさえすれば広告費が稼げるので、それはそれで作り手からすれば一つの正義でもある。
やり過ぎたら全てを失う諸刃の剣だが、一つの正義で有る事に違いは無い。
そんな正義は認めないぜ!と言った所で仕方ない。
ともあれ全てはタイトルに掛かってる訳なのだから。

 

ホンダが「最強4人乗りスポーツモデル」発表! 高性能タイプ「R」も設定! めちゃ楽しそうな「タロン」米で登場

これも同様。
先ほどのデイトナのように、くるまのニュースにバイクの記事を差し込んでくる程の悪質性は小さいが、これもどうにかこうにか無理やり釣ってやろうと考え抜いたタイトルと言える。
中身は先ほどと同様、特に何もないので開く必要は無い。

SXSと呼ばれるオフロードバギーの事。
四輪だがATVと同様にホンダの二輪部門の担当なので、やっぱり結局はバイクのニュースに掲載するのが筋だろうとは思うが、まぁそんな事は些末な事さ。
くれぐれもタイプRの名を冠した4人乗り小型スポーツカーをホンダが作った訳では無いのでお間違いの無いように注意しよう。
単に名前にRって着いてるモデルも有るよ、ってだけの話なので釣られないように。
高性能なタイプRでは無く、高性能タイプのR。
同じようでもちょっと違うのだ。

 

釣りタイトルで食う飯は旨いか?
って思いをする方も居るかも知れないが、それが正義か悪かはともかく、釣られた所でどうって事は無いのでブツブツ言ってないで諦めよう。
え?お前も釣られたんかって?
ははは、嫌だなぁ、お客さんったら。
ははは。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy