官能に支配された右手は快楽と同時に絶望をも呼び込む 後編

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FCRを組んでみた。
ZZR1100にFCRを。
私のバイクじゃ無いけれど。

それは止めた方がイイよと、周囲から散々言われてるのに手を出した中古のFCR。
どうせ消耗したからヤフオクに出したのだろう。
そんなの何もわざわざそんなの買わなくたって、と。

そうは言っても、目先の小銭に目が眩み、止せばイイのに買っちゃったFCR。
で、買ったはイイけど、やっぱりいまいち調子が悪かったので、四苦八苦した末に結局は新品を買うと言う何重にも愚かな道を通るハメに。
フ...愚かな。

まぁ、これで学んだだろう。
FCRは消耗品だって事を。
そして、消耗したFCRはそうそうキチっと直らないって事を。
それを幾らか万円の浪費で身をもって学んだ事だろう。
45歳にも成ってそれを学ぶのはどうかと思うけれど、生涯学び続けるのもまた大事な事なのだと思う。
私もお風呂に九九ポスターを貼ろうかと思う。

 

BITOのFCRキットはやっぱり素晴らしい。
ボルトオンで装着できて、基本セッティングも出てる状態なのだから。
ただ付けるだけでも普通に走る、ただそれだけで素晴らしい。
そこからさらに煮詰めたらもっと素晴らしくなる。

当たり前だけど、正体不明な中古キャブとは随分と違うね。
困った時には元のBITO出荷状態に戻せる、と言うだけでも素晴らしい話だ。
特に何一つ手も金も口さえも出してない私でも思う。
やっぱ17万円も払う価値は有るわと。

 

いやぁ、凄くイイ。
中古FCRの苦労なんてもはや過去の話。
流石は新品FCR。
素晴らしい。
買って良かったFCR。
もうボクの右手は止まらない、止まる事なんて知らないよ。

45歳独身男は走り始めた。
官能的ですら有る、ある種の麻薬的ですら有る、FCRの魔性に心を鷲づかみにされて。
調子乗って右手をパッコパコ開けるのだった。
そりゃもうパッコパコに。
快楽を貪るかのように、ただ本能のままに右手をパッコパコ。

 

話は遡る事10年程前。
現在45歳のおじさんが、まだ35歳のおじさんだった頃の事。
同居してたお母さんからこんなメールが届いたのだ。

『ベッドの裏に散らかってた変な本を片付けておいたわよ』

と、お母さんからそんなメールが。
そんな悲劇と絶望のお知らせメールが。
そんな恐怖新聞がお母さんから。

hyakunichi

百日どころか即死しそうだよ、母さん!

 

この件においての彼に取っての絶望とは何を指すのだろうか?
カッピカピに成ったデラべっぴんさんコレクションが捨てられた事だろうか?
それとも大阪日本橋の薄い本専門店で厳選した薄い本コレクションを整理整頓された事だろうか?
それとも、35歳にも成ってお母さんにエロ本見つかった事だろうか?
或いはそれをメールで送られた事だろうか?

ミルフィーユのように、何重にも重ねられた悲劇、そして絶望。
毒剣に刺されたハムレットが死ぬ間際にウNコ踏むくらい、幾重にも積み重ねられた悲劇、そして絶望。
嗚呼...

 

そんな絶望の深淵を覗き込んだ彼に取って、官能に支配された右手が快楽と引き換えに赤切符貰う位、大した絶望では無い、のかも知れない。
筆舌に耐え難い悲劇を乗り越えた彼に取っては。

フ....赤切符ごとき。
それくらいの事、35歳にも成ってお母さんにエロ本片付けられたあの日の絶望に比べるとどうと言う事はないわ。
フフフ.....。

 
ちなみに赤切符で一発免停、罰金数万円だとか。
流石に新品FCR程では無いみたいだけど、高い事に違い無い。
そりゃ凹む、そりゃ落ち込むわ、そりゃ心も荒むは。
本人以外に誰一人として一切の責任は無いのだけど、ちょっとやさぐれる気持ちも解らなくは無い。
この前、私の後部座席でブツブツとぼやいてた。
すり抜けするバイクを見ながら

『みんな捕まったらイイのに』

と、そんなやさぐれた事を言いたくなる気持ちも解らなくは無い。
ただの八つ当たりなんだけど。

 

嗚呼...それにしても面倒だ。
面倒なメンタルを抱え込んだおじさんの相手は本当に面倒だ。
ゼファーのノーマルボック使用純正CVKをセッティングするくらいに凄く面倒だ。
嗚呼、とても面倒なので早く免停開けてくれないかと願ってる。

 

と言う訳で、良い子のみんなは欲望のままに右手を自由にさせないで、キッチリ制御しておくことをお勧めする。
バイクだけで無い、何時、如何なる場面で有ろうとも右手はしっかりコントロールしておく事をお勧めする。
第二第三の鬼形礼が生み出されない為にも。

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MOTOR CYCLE

Posted by tommy