バイクに溺れる
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それが良いのか悪いのかは別として、まさに溺れると表現してしまう程に没頭する事が有る。
そんな人が居る。
そんな場合が有る。
余り良いイメージで語られる事は無いのだけども。
ギャンブルに溺れる。
キャバ嬢の溺れる。
そして、バイクに溺れる。
人の人生なので好きに生きれば結構なのだけども、出来る事ならば余り一つの事に溺れる程にのめり込まないで、もっと色んな事に目を向け足元を見つめなおす事をお勧めしたい。
まぁ程ほどに。
溺れるかと思った。
バイク乗ってて溺れるかと思った。
ポカポカ陽気のこの日、私はR1に乗ってちょいと出かけていた。
中国道を走り、知り合いと会う為に。
左側車線をテレテレと走ってると、突如として猛烈な目のかゆみに襲われた。
小さい人がコチョコチョしてるみたいに、猛烈に、強烈に、熱烈な痒みに襲われたのだ。
もう前を見てられない程に。
ちなみに私は花粉症持ち。
と言っても、通常それ程大変な状態に成るレベルでは無い。
野戦病院化したこの時期の耳鼻科へ駆け込む程のレベルでは無い。
特にマスクもゴーグルもしてないし。
ただ、今年は花粉が多いのか、それともただのタマタマなのか、何となく家に居てても目のかゆみに襲われる事は有った。
例年に比べてちょっと重いかもねと、そんな症状は自覚してる今年。
だがこの突如の花粉襲来にはちょっとまいった。
涙が出て止まらない。
ケロロ軍曹第一シーズン最終回を見た時よりも涙が零れて止まらない。
ほろほろ、ほろほろ。
そんな、インディペンデンスデイでUFOに突っ込む爺さんのシーンを見た時よりも盛大に涙を流してると、鼻がモニョモニョしてきた事を感じたのだ。
やばい、鼻がモニョってきた。
鼻にまで来てしまったかも知れん。
私の症状は涙が出て、喉がイガイガするのが一般的な花粉症の症状。
まことちゃんみたいに鼻を垂らす事は滅多と無いのだが、この日は涙を流しながら鼻まで垂らすと言う、なんともズルズルした状態に。
バイク乗ってるのにえらいこった。
これが顔丸出しのヘルメットなら、顔中がガピガピに成ってそうだ。
なんか凄くマニア向けの絵と成りそうだ。
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朗らかな陽気の中国自動車道。
平和で優しい時間の流れる昼下がりの中国自動車道。
そこをひた走る、一台のバイクの上。
私はただ一人戦ってたのだ。
次のパーキングまで、鼻垂れなんかするもんか！と、強い気持ちで戦ってたのだ。
停めるに停めれない中国自動車道の上で、止め処なく、まるで泉のごとく何処かから湧き出す鼻水相手に必死に抗ってたのだ。
次のパーキングで、鼻をチーーーンとする、その至福の瞬間を得る、ただそれだけの為に。
いやぁ、直ぐにパーキングが有って良かった。
そして、自分の鼻水で溺れなくて良かった。
嗚呼、本当に良かった。
見ただけで鼻がムズムズしないかい？
私はする。
もうすでにムズムズだわ。