ハイオク500円!なんて言う勇気は残念ながら持ち合わせてなかった

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寒いね。
ホントに寒い。
んな事は言われるまでも無く皆様ご存知だろうけど、本当に寒い。
んぁぁぁ!!!って、日本語でもフランス語でも無い謎の奇声を上げてしまう程に寒い。
...あ、まぁ別に奇声は上げないけど、ともかく寒い。

 

そんな寒い中、ハヤブサを駆り出して出かけたのは友人宅。
何年か前に立派なガレージの付いた家を建てた友人宅。
ハヤブサ買ったから見せびらかしに行くわ、って事でわざわざ寒い中高速乗って友人宅へ。

あれ?
今から行く友人って、このハヤブサの元オーナーと良く一緒に出かけてたっけ?
散々このハヤブサ見てなかったっけ?
わざわざ寒い中見せに行かなくても良く知ってたっけ?

等とブツブツ考えながら、寒風を切り裂いて高速道路をひた走った。
大した距離では無いけれど。

 

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暑い季節。
木陰でじっとしてても暑い季節、高発熱のバイクに乗ってると汗でベッタベタに成ってしまう、そんな暑い季節。
そんなただでさえ暑い季節にバイクに乗ってる時、ほんの一時のリフレッシュ感が味わえる瞬間が有る。
それはガソリンスタンド。
良く冷えたガソリンを満タンした時、何とも言えない清涼感がライダーの腰下を駆け抜ける。
真夏の蒸れ蒸れ下半身に、爽やかな清涼感が駆け抜ける。

ガソリンが減ると共に上がったタンクの温度が恨めしい夏場。
熱々タンクが恨めしい、そんな夏場。
そんな夏場のガソリン満タンは、下半身だけが軽井沢の高原にワープしたかのような、そんな一瞬の清涼感が得られる。
尻からメンソールタバコを吸っても得られない、ライダーしか知らない至極の清涼感だ。
それが夏のガソリン満タン。
ああ、この冷たいタンクがとても気持ちイイ。
一生ニーグリップしてたい、そんな気持ち。

 

だが、この世の全ての事象は諸刃の剣で有る。
夏場は至極の清涼感を与えてくれた満タンは、真冬は私の下半身に冷たい牙を剥く。

ガソリンが減ると共に上がったタンクの温度が恋しい冬場。
ホカホカタンクが恋しい冬場。
そんな冬場のガソリン満タンは、真冬に下半身だけをシベリア送りされたかのように、ただでさえ寒いのにさらに寒く成っちゃう。
ああ、折角ちょっとだけ暖かかったのに。
冷たくて冷たくて、ニーグリップなんて出来やしない。

 

 

友人宅でしばし遊んだ帰り道。
私は、ある選択を求められた。
そう、それはガソリン。
入れるか、それとも少ない燃料でがんばって帰るか。
そんな選択。

燃料の残量は、帰宅するには多分問題は無いだろうレベル。
多分。
...ん、た....多分。
そんな微妙な残量。

だが一般道を走って帰るならともかく、今回は帰り道も高速道路。
流石に高速道路でガス欠は頂けない。
目も当てられない。
やっぱ入れといた方が安全だろうね。
ちょっとだけでも入れといた方が。

 

何度も書いたことは有るけれど、基本的にバイクの時はセルフにしか寄らないと決めている。
基本的にはね。

タンクに雫を垂らされるのが嫌だとか、昔乗ってたバイクは入れすぎたらガソリンが漏れてくるとか、等と幾つかの理由により、バイクの場合は以前よりガソリンは自分で入れている。
わざわざ『レギュラー8分目』なんて言わなくても良いし、そしてタンクに雫を垂らされる心配も要らない。
仮に垂れても、そりゃ自分の責任なので飲み込めるしね。
泣きながら舐めとくわ。

だから、四輪の場合はバイトの兄ちゃんの居るスタンドにしか行かないが、バイクの場合はセルフと相場は決まっている。
何より、ガソリンを必要最低限だけ入れる、なんて事が出来るのもこの時期にはちょっと嬉しい。
錆防止の点から考えたら常時満タンがベストなのだろうけど、唯でさえ重いハヤブサなのでタンク半量なら10kg程も減量出来るのでちょっと嬉しい。
特にこの時期は、ちょっと走ったらタンクが温まるのもちょっと嬉しいポイント。
まだ未経験な夏のハヤブサは常時満タンがデフォと成りそうだけど、寒い夜にはホカホカのお前のタンクが役に立つ。

だから、概ね燃料計で半分程度の量までしか入れないのが常な私のハヤブサ。
通常5リッター程度しか入れてないハヤブサ。
それでも意外と街乗りでも燃費は良いので、近所しか乗らない現状では何ら不便は無く普通に走れてしまう。
図体はデカいけど意外と経済的なんだ。
そもそもハヤブサで近所しか行かないってのは不経済極まりないな話だ、なんてのはさておきとして。
ママチャリ乗っとけ、ってのはまぁさておきとして。

 

 

今回同行した人もガス入れるって言うので、んじゃ私も入れとくわと。
高速の入り口付近にあるスタンドへと寄った。
だがそこは、よりによって普通のスタンド。
要するにバイトの兄ちゃんがガソリン入れてくれる、そんな普通のガソリンスタンド。

 

家までの走行距離を考えたら、前記した通り入れなくても多分帰れる程度の残量は有る。
だが、乗り方次第で大きく燃費の変わるこの大型バイク。
高速道路上でガス欠なんて悲惨極まりないので、念の為ちょっとだけ入れておこうかな?
ほんのちょっとだけ。
先っちょだけ入れておこうかな?
満タンしたらタンクが冷たいからちょっとだけ入れておこうかな。

なんて思ってたんだけど、流石にハヤブサに跨ったまま『ハイオク500円』なんて言えない。
そんな事、言えやしない。
言いたい、けど言えやしないよ。

ああ、なんて意気地なし。
ああ...なんて意気地なし。

 
このただでさえ寒い中、キンキンに冷えた満タンハイオクガソリンを股に挟みながら高速道路をひた走った。
さっきまでのホカホカタンクを懐かしく思いながら。
やっぱ入れなきゃ良かったと思いながら。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy