日本のモトクロス界への一筋の光明….か

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海外事情については良く知らないのだが、日本のモトクロス界には長年に渡って大きな問題を抱えている。
その一つが騒音。
大体はモトクロスコースは山の中に有るのだが、それでも騒音の問題を避けては通れない。

https://riderpark.jimdo.com/音量規制/

このライダーパーク生駒の場合は運営者と利用者の双方の尽力によって再開に漕ぎ付けたのだが、それでも騒音の問題により日本各地で閉鎖、あるいは閉鎖の危機に瀕してるモトクロスコースは珍しくは無い。
珍しくないと言うか大体問題を抱えている。
抱えてるのは騒音だけの問題でも無いのだけども。

 

騒音だけどうにかすれば日本のモトクロス界は救われる!

なんて単純な話では無いのだが、騒音を減らす事は今後さらに必要と成ってくるだろう。
少なくとも、もっと騒音を減らせとの声は大きくなっても、音量なんて気にしなくてオッケーよ、なんて世の中は来ないのだから。

 

その一つの解決策がこちら↓

電動よ、電動。
やっぱ電動はイイね。
ハイスピードツアラーにはともかく、モトクロッサーはやっぱ電動が素晴らしい。
音は勿論、出力特性もモトクロッサーには電動がやはり優れてる。
クラッチが無いので、クラッチ使いが癖に成ってる人は最初は戸惑うかも知れないけれど。

私が乗っても、きっと左人差し指がピクピクするんだろうなと思う。
レバーなんて無いのにね。

 

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Alta REDSHIFT MX

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メーカーはアメリカのALTA MORTORS。
https://www.altamotors.co/

普通のモトクロッサーにバッテリーとモーターとドライブ周りを積んだだけの、至極普通のバイク。
フレームにモーターを積み、普通にチェーンで駆動する。
ホイールも普通、前後サスペンションもWP製の普通の奴。
でもそれが良い。
見てくれのインパクトだけを狙った妙な事をしてない点が素晴らしい。

ブレーキはブレンド、ホイールはアメリカのWarp 9 Racing、外装はアチェルビス。
パーツチョイスに隙は無い。

 

一点だけ珍しい点は、シートレール周りのサブフレームはプラスチックで出来てる事。
正確にはポリカーボネートとポリブチレンテレフタレート混合の熱可塑性樹脂。
ハスクバーナにも似たような樹脂製サブフレームが使われてるけれど、エキパイが無い電動バイクには熱の心配が不要なので使い易いのだとか。

 

このALTA MORTORSは↓

https://www.harley-davidson.com/us/en/about-us/hd-news/2018/harley-davidson-invests-in-alta-motors-.html

ハーレーの電動バイク開発のパートナーとしても有名、かも。

 

そうそう、2019年、つまり来年にはハーレーが電動バイク出す事は発表している。
そのバイクのコアを作るのがこのALTA MOTORS。

 

 

s_static1.squarespace

ハーレーの電動バイクは、このALTA PACKと呼ばれるバッテリーとモーターとバルクヘッド(プライマリーギア~ドライブシャフト周り)をここが作るらしい。
そんなメードインアッメリカな電動バイクが来年には登場(予定)
....(予定)

 

 

Alta REDSHIFT MXの気に成るスペックは

42 HORSEPOWER
120 FT-LBS TORQUE
2HR 240V RECHARGE
265 LBS WEIGHT
10495 MSRP(希望小売価格)

との事。

YZ450Fが$9,199、YZ250Fが$7,699なので、それに比べてそこそこお高め。
巨大メーカーと価格競争するのは大変だ。

 

 

 

モトクロッサーの電動化はメリットが大きい。

電動モーターの出力特性や騒音も問題だけで無く、運用面でも大きなメリットが有る。
その一つはメンテナンス。

多くとも月に数度、何ヶ月も乗らない事も珍しくないモトクロッサー。
数ヶ月放置してても、充電したら直ぐに乗れるってのは大きなメリット。
車体のメンテは変わらないけれど、エアクリーナーやキャブ掃除から開放されるだけでもメリットは大きい。

その辺も含めてモトクロスなのかも知れないけれど、その昔の排気デバイスがガッチガチに成るバイク乗ってた人は、コンセント挿したらメンテナンス終了するこのお気軽さには感動さえ覚える事だろう。
今時の4stは、エンジン周りのメンテに関してはエアクリとオイルと冷却水交換だけで済むけれど、それとて必要なくなるのだから。

 

そしてガソリンが要らないってのもメリットは大きい。
出来るだけコースの近くのスタンドで入れて貰って、そして余ったガソリンは車に入れてるのだけど、それでも10Lも20Lも車内に積むのは余り心地よい物では無い。

自動車の燃料タンクにガソリン入れるのも、車内にガソリンを入れた携行缶を積むのも、話としては何も変わりはないのだけど....それでも気分的にちょっと違う。
何となく違う。
タバコは外で吸ってくれ、って言いたくは成る。
自動車の燃料タンクにガソリン入れるのも、車内にガソリンを入れた携行缶を積むのも、話としては何も変わりはないのだけどね。
でも気分的にちょっとね。

 

 

エンジンオイルが要らないとか、エアクリーナーエレメントが要らないとか、冷却水交換も要らないとか、オイル漏れの心配も要らないとか...
メリットは沢山有る。

*今時の電気モーターは水冷式だが、冷却水交換は通常はしない、ってか出来ない。

 

デメリットは、安全性が挙げられるかも。

バックミラーの無いモトクロッサー。
仮に有っても見てられないし、ブレッブレなのでどうせ見えないだろうけど。
ともかくバックミラーの無いモトクロッサーの場合、音で周囲のバイクの存在を認識する事が必要なのだが、電動のキュルキュル音でそれが認識出来るのか?って問題は有る。
どうなんだろうね。

 

 

ちなみにバッテリー寿命は、1000サイクルで80%との事。
つまり、1000回充電したら、フル充電でも80%くらいしか出来なくなるよって事。

これがどの程度の影響なのかは人それぞれだろうと思う。
ライン工みたいな3交代のシフト制で乗るならすぐに寿命が尽きるし、月に2~3度しか乗らない人なら30年程は持つ計算と成る。
普通に考えたら、一般的にはかなり持つと思う。
タクシーに使う訳じゃ無いんだから。

まぁ20年程乗ってバッテリーが死んだら交換すりゃイイので問題無いかと。
安くは無いだろうけど、YZ450Fの定期メンテ~エンジンオーバーホールも安くは無いので、トータルコストは...どうだろう?
まぁ20年後、ALTAのバッテリーパックが手に入るかどうか、と言う根幹を揺るがす大きな問題は有るのだけど。

20年後でもきっと2018年型YZ250Fのバルブやピストンは手に入るだろうけど、ALTAのバッテリーパックは...どうだろうね。
そもそも日本では直せないので、今現在は仮に買っても大変かも知れない。
車体は直せてもバッテリー~モーター~バルクヘッドは直せないので困った話だね。

 

日本メーカーが4st250ccと同程度の価格帯の電動モトクロッサーを出せば色んな問題は解決するのだけども、現実的に中々それは難しいのだろうね。
メーカーの戦略的に、電動を大々的に売り出すのはこれが中々。
世の中は難しいもんだ。
いや全く。

 

MOTOR CYCLE

Posted by tommy