今こそエリミ
なんかこんなのが始まってるらしい。
Ninja H2
道の駅で見せびらかすには凄まじいオーラを放つH2だけど、実際に乗る場合は中々使いどころが難しいバイクで有るのは今更言うまでも無いお話。
理由は簡単。
普通、そんなに速く走らない。
そして、そんなに速く走れない。
それが理由。
CBR1000RRのJSB仕様に乗って鈴鹿を2分10秒台で走れる人なら、良いタイヤ履いたH2Rに乗ったら凄いタイムを叩き出せるかも知れないけれど、そこらの民間人がそんな真似が出来る筈も無い。
ストリート仕様のH2でもどうしようも無く持て余す。
別にH2やH2Rに限った話では無いけれど、大体のスーパースポーツは何処を走っても大いに持て余す。
どうしようも無く。
でもそれはそれで全然構わない話。
SR400だって、何ならジェベル200でだってフルパワーを使えば免許は無くなってしまうんだから。
ちょっとくらい持て余してもどうって事は無い。
8割方持て余した所で何て事は無い。
でも正直、ちょっと格好着かないのも、これがまた事実。
ルールを守ってゆっくり走るのならそれは素晴らしい。
でも、特にそんな気は無いけど持て余しまくって、にっちもさっちも行かなくてニンジャ250に引き離されるってのはちょっと格好着かない。
いや、だってゆっくり走ってるだけだもん！
別に競争なんてしてないもん！
と、誰も聞いてないのに自分で自分に言い聞かせて血圧を落ち着かせる以外に残された道は無い。
がんばれ。
『速いバイクでタラタラ走るなよ』
って風潮。
別に私のように、ハヤブサを時速40km/hで走らせてても誰に何を言われる筋合いも無いんだけど、速いバイク乗ってんだから速く走れって風潮は確実に存在する。
そして、バイクはコーナーを速く走ってナンボやで、って風潮も有る。
理由は簡単。
速いバイクで直線を速く走ってもだから何よって話だから。
実際、夜の国道43号線なら、ハヤブサを200km/hくらいで走らせる事なんて造作も無い。
その程度、何ら難しい事の一つも無い。
280km/h以上出すならともかく、200km/h程度なら鼻歌交じりに簡単に出せ、そしてブレーキ掛けたら簡単に止まる。
難しい技術なんて何も要らない。
明日も免許もどうなろうが知ったこっちゃ無いぜって、そんなヤケクソな気持ちと速いバイクが有れば技術なんて何も要らない。
160km/hオーバーで捕まったらどうなるかは知らないけど。
だが、その感覚で六甲を走れるか？
下りの表六甲でハヤブサのスロットルを開けれるか？
って聞かれたら話は別。
中には凄い人、或いは凄い無茶な人は居るかも知れないけど、普通はそうそう走れやしない。
深夜の幹線道路をぶっ飛ばして走るようなお手軽感覚で、下りの表六甲をワイドオープンしてやるのはちょっと難しい。
だからこそ言われる。
誰でも彼でも出来ないからこそ言われる。
『バイクはコーナーを速く走ってナンボやで』
と。
ただ、重ねて書くけど中々出来ない事。
Ｈ2が幾ら凄いバイクでも、六甲で速く走る事はそう簡単に出来ない。
勿論そんな生き方はお勧めしない。
超高性能バイクなんだから速く走れよってのも、コーナーこそがバイクの醍醐味だよってのも、それらはごもっともな意見だとは思う。
でもそんな事を言われても、普通に生きてる人は色々大事なモノを背負ってるからそんなに速く走らないし、走れと言われも直線以外でそうそう速くは走れないよ。
それがマジョリティ。
だから現代に求められるのはこんなバイクだ
・凄まじいパワーとイカれたデザインを持ちながらも速く走る必要の無いバイク。
・でもいざって時には自慢のパワーを生かして直線だけは速く走れる。
・直線は速いけどコーナーはゆっくり走っても全然オッケーなバイク。
つまり、H2のエンジン積んだエリミネーターが出ないかなぁって、長々と書いたけどただそれだけ。
未だにエリミエリミエリミエリミ言ってる人が周りに居るので、直線番長、否、直線大統領とも言えるスーパーチャージャー搭載のイカれたエリミさんを出してやってくれないかと、そう思う。
VMaxの国内リリースも終了し、X4の後継は一切無く、そしてハーレーのVRodも消えて久しい今のご時勢。
今時エリミだなんて、しかもスーパーチャージャー積んで出せとかそんな無茶言われてもカワサキも困ってしまうかも知れないけれども。
文字通り市場からエリミネイト（排除）されたバイクを今更出せと言われてもね。
でも、それでも私は思う。
スーパーチャージャーはエリミネーターにこそ似合うシステムだと。
直線大統領にこそ必要なシステムだよと。