今、君の股の下で破滅への時を刻む爆弾

エンジンの結構重要な部分にプラスチックが使われている。
破損すると大惨事を起こしてしまう重要な部分に。

エンジン内のプラスチック部品といえば、チョイノリのカムシャフトを思い浮かべるマニアな方も居るかも知れないけれども、カムチェーンを持つ多くのバイクのエンジンにはこんな部品が使われている。

これはセローのカムチェーンガイド。

ハーレーや国産クルーザーやOHV時代のスーパーカブ等のプッシュロッド、CBRやデスモセディチなんかのカムギア、デスモ以外のドゥカティのコグベルト、カワサキのWや大昔のドカティのベベル....
等を除いて、50ccのスクーターからH2まで、多くのOHCエンジンはシリンダーヘッド上のカムシャフトをカムチェーンで駆動させる。

ハーレーのOHVは勿論腰下のカムシャフトから延びたプッシュロッドでバルブを作動させるのだけど、カムシャフトの駆動は短いカムチェーンで行ったりしてる。
中々面倒な構造だね。

このカムチェーンは、エンジンが動いてる間ずっとこの黒いプラスチック部品に沿ってシャラシャラと回ってる訳。
平均5,000rpmで回してるなら、1分間に5,000回、1時間に300,000回、往復2時間の通勤を25日使えば15,000,000回、それを3年間続けたら540,000,000回。
もう桁を数えるのも大変な位にカムチェーンは頑張って回ってる。
この黒いプラスチック部品に沿ってシャラシャラと回ってる。
ご苦労様。

このパーツリストの図で言えば、8番が写真に載せた黒い部品。
写真は前側のカムチェーンガイド。
2つセットなので、当然後ろ側(9番)にも付いてる。

激しい熱と振動に晒され、後ろ側はさらにカムチェーンテンショナーによってカムチェーンが緩まないように押し付ける仕事も担う。
そんな大変な箇所にプラスチック部品なんて使って大丈夫なんですか?

って思う人も居るかも知れないけれど、勿論の事そんな過酷な箇所にプラスチック部品なんて使ったらその内に壊れてしまう。
こんな具合に。

数万キロも走れば、これくらいのダメージを負う事も。
まぁ最悪折れなきゃイイんだけど、別に折れないように何かしらの対策が成されてる訳では無いのが非常にスマンかった所な訳で。
色んな構造は有るんだけど、セローを含む多くの場合は正真正銘ただのプラスチックなので、ペキンと行ったらそれまでよって話。
幸いにしてカムチェーンガイドが折れた経験は無いけれど、これもそのまま使ってればその内に折れてたかも知れない。
貴重な経験を逃がしちゃったけど、そんな経験なんて要らないよ。
そんな身を張ってまでご馳走は求めてないわ。

ちなみにカムチェーンガイドが折れたらどうなるか?

前側(8番)が折れたら、カムチェーンがクランクケースやシリンダーを激しく叩く。
バルブタイミングが狂ったらバルブとピストンが衝突するかも。
大きな異音の直後、小さな爆発音と共にエンジンは息絶える。
もう異音さえしなくなるレベルで絶命する。
イオン無く絶不調。

後側(9番)が折れたら、カムチェーンテンショナーが機能しなくなるのでチェーンが緩んで外れたり絡んだりする可能性も。
1分間に5000回転してる最中にカムチェーンが絡んだらどうなるかは、火を見るより明らかって奴だ。
嗚呼、怖い怖い。

確認方法は残念ながら分解しか無い。
音を聞いても、斜め45度から薄目で凝視しても、外からの確認は恐らく不可能。
フルマラソン公認記録の2時間切りが現実的に見えてきた、人類の進化が著しいこの時代においても、外部からカムチェーンガイドの状態を把握する事は不可能だ。
人はそんなに便利に成れないとアムロも言ってたし。

ちなみに上記のひび割れカムチェーンガイドは、走行距離4万キロくらいだったと思う。
実際に何時折れるのかは試した事は無いので定かでは無いけれど、使ってたらその内に折れた可能性は高い。
幸か不幸か、ベースガスケットからのオイル漏れによる分解で早期発見出来たので事なきを得たのだけど、そのオイル漏れが無かったら.....どうなってただろうね。
何とも言えないな。

実際に折れるのかどうか、そして折れたらどうなるのか?
その辺についてはケースバイケースって奴なので実際には何とも言えない所なのだけど、ただ一つ言える事は有る。
爆弾は、今日も静かに君の股の下で爆発の時を刻んでるんだよ
って事は言えそうだ。

分解しなきゃ確認出来ない、でも通常そうそう簡単にエンジンの分解なんて出来ないジレンマ。
僕たちに出来る事はただ祈るだけ、なのかも知れない。
どうか大事な所が爆発しませんようにと、ただ祈るしか。

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