ニンジャとジャケットとトップガン

友人の一人にニンジャ乗りが居る。
GPZ900R。

ニンジャofニンジャ。
2ストの150ccに250ccの単気筒から、スーパーチャージャーに1400ccにと、まるでニンジャのバーゲンセールだな世の中だけど、やっぱりニンジャと言えばGPZ900R。
ニンジャと言えばやっぱコレですわ。
まさにニンジャofニンジャ。

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何度か書いたことは有るけれど、GPZ900RのセカンドバイクとしてGPZ900Rを買い、さらにレストア用に一台GPZ900Rを買いつつ、Goobikeを眺めながらGPZ900R買おうかな、とか言ってしまう狂人が居る。
それがニンジャ乗りの友人。
もはやニンジャンキー。

彼には彼成りの理由は有って、ニンジャH2が買えるくらいの金を注ぎこんで盆栽カスタムしたら凄く乗りにくく成ったのでマフラーとホイールを替えた程度のニンジャが欲しくなったとか、サーキットを走る為にクラッシュしてもまだ精神が崩壊しない安いニンジャが欲しいとか、今後の為にレストア済のノーマルをストックしておきたいとか。
彼には彼なりの、狂人には狂人なりの、ニンジャンキーにはニンジャンキーなりの理由が有る。
私にはさっぱり理解出来ない事だけど。

ってか、盆栽号の倒立フォークと、何かから流用したごっついスイングアームと、尻がキュキュっと上がったグッドルッキングなスタイルを諦めたら全てが済む話なんだけど、それだけは譲らないらしい。
あの超絶盆栽スタイルは決して手放さない。
見た目は良いのだけど、ありゃダメだ。
所詮は盆栽だね。
見た目は凄く良いんだけど。

 

そんな彼のファッションは、基本はフライトジャケット。
ナイロン製のシャッカシャッカ言ってる奴。
やはりバイクにはフライトジャケットが親和性高い。
何が何でもライディングジャケット派な人も居るが、私の周囲ではフライトジャケット派が結構多いような雰囲気。
娘の名前に峰子と名付けそうなレベルで全身をコミネちゃんで固めてる人も居るが、これは意外と少数派。
フライトジャケットの方が多いような感じ。

ちなみに私は登山は一切しないのに登山用のジャケットを好んで着てるのだけど、今でもパッチが一杯付いてるMA-1を着る事が無い事も無い。
残念ながらもう17歳じゃないのでそれを着て神戸に行くのはちょっと遠慮させて貰うけれどさ。
流石に、この年で着るのは、ちょっと、照れるわ。

 

この日も勿論、彼のファッションはフライトジャケット。
L-2かな。
別にコスプレでは無い。
ただの普段着。
何なら通勤にだってコレなんだから。

基本的にナイロン製のフライトジャケットを好んで着てる彼だが、それを着てGPZ900Rに乗ってると、非常に多くの場合にトップガンに影響されたのかと思われるらしい。
実際、その通りなんだけど、さりとてそれを認めたく無いのがおっさんのプライドなんだろう。
何時まで中学三年生みたいなルーチンをしてるねん、って。

実際、自分でも言ってるように、トップガンに影響されてニンジャに乗って、トップガンに影響されてフライトジャケットを着てるのだが、あえてG-1では無くL-2やB-15を着てるのは、トップガンに影響されたんじゃないんだもん!の気持ちの表れなのかも知れない。
いや、実際に影響されてるんだけど。
F-14のプラモを作るくらいに。

一方、そんな複雑かつ面倒臭いおっさんの気持ちなんて知らない人からは、トップガンで着てたのはG-1で、MA-1じゃないんだよーとか言われる事も有るのだとか。
んなもん解ってるわボケ!それにこれはB-15じゃボケ!!
と、声を大にして言いたい気持ちをぐっと堪えるのも、しばしば。

いやぁ、大変そうだね。
私はただただそう思う。

 

何もよりによってトップガン見に行くのにフライトジャケットを着て来なくたってと思うのだけど、前述したようにこれが彼のスタイル。
この日も勿論、彼のファッションはフライトジャケット。

決してコスプレでは無い。
通勤にも、ツーリングにも、釣りに行くにも、スノボにだってコレ。
そしてもちろん、映画を見に行くにもコレ。
仕事中と寝る時と親の葬式以外は大体コレ。
可能なら、死んだ時にも着せてやろうと思う。

でもトップガンを見に行くのにフライトジャケットって、まさにコスプレ感が満点で周囲の人たちから何かチラ見される事も多々有ったのだが、決してこれはコスプレでは無い事を言いたい気分だった。
彼はラブライブだってフライトジャケット着て行ったし、きっとゆるキャン△にだってコレ着て見に行くんだから、コスプレじゃないんだよと私は声を大にして言いたい気分だった。
みもりんのライブにだってフライトジャケット着て行ったんだぞ!と。
なんかトドメを刺しそうだから止めておくけど。

 

ニンジャばっか乗ってる狂人、コールサイン(タックネーム)ニンジャと、暫く見ない間にさらにボディの肥大化が進んでいたスノーマンを筆頭に、私たちはぞろぞろとトップガンが上映される映画館へと向かった。

今回見に行ったのは総勢6人。
そんなに予約取れるのかと思ったら、意外と空いてるレイトショー。
予約したのは真ん中辺りに5つ、そして一番後ろの席に一つ。

スノーマン、お前は一番後ろな

一人でポップコーンペアセットを持つ大巨人スノーマンを一番後ろの席に追いやり、私たちは中央のシートへと身を沈めた。
幾ら平日のレイトショーは空いてるとは言っても、そんな1400GTRみたいな人が前に座ってたら迷惑この上ないわ。

 

いやぁ、やっぱトップガンはいいね。
そして、やっぱ映画館はイイね。
映像も音も、やっぱりこの種の映画は映画館で見るもんだ。
横でナイロン製フライトジャケットがシャカシャカ言ってる事なんて、何も気に成らないさ。
何も。
ニンジャが出てきたシーンで、なんかとても嬉しそうにしてるのが少し気に成っただけで。

 

いやぁ、でもやっぱトップガンはいいね。
そうしみじみと思い返しながら、今度はIMAX版を見に行こうかなと、なんとなく考えてる私だった。
今度は一人で。

MOTOR CYCLE

Posted by tommy