アナタの名前、何て言うの?
私の生まれ育った街は、京都の古い地域。
カメラ下げてガイドブック抱えた観光客が良くウロウロしてた、そんな所。
その昔には応仁の乱が有り
幕末には新撰組は走り回ってたかどうかはちょっと微妙な、まぁともかくそんな所。
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同じく京都の古い地域から、私の中学校へと引っ越して来た人が居た。
自転車で行ける程度の微妙な距離の引越し。
彼の苗字は....名前は何だっけ?
良く覚えて無いけど、ハッキリ覚えてるのは下の名前と、何処から引っ越して来たかって事。
前に前に住んでたのは、西本願寺、七条油の小路の程近く。
そして名前は甲子太郎。
まさに蘇りし、伊東甲子太郎だ。
でも伊東じゃなかったのは覚えてる。
正直、縁起悪いんじゃ無いかと思う。
伊東甲子太郎が人生のピークを謳歌してた東山の高台寺辺りの人ならばまだしも、何も惨殺された所で生まれた子供に、伊東甲子太郎の名前着けなくてもイイんじゃ無いかと思う。
一体、この親は息子にどうなって欲しいんだろうって中学生ながらに思ったもんだ。
ちなみに彼の名前は『甲子太郎』と書いて『きねたろう』と読む。
流石に『かしたろう』と名づけるのは、場所柄不適切と踏んだのかも知れない。
でもそれならいっそ、もっと別なのがイイんじゃ無いかと思うけど大きなお世話様なんだろう。
ちょっとした知り合いが居る。
まだ私がYZ125でモトクロスをやってた頃なので、かれこれどれくらいだろう?
解らないけど、ともかく随分長い事付き合いの有る人。
鉄パイプフレームの250Fに乗り換える前、YZ125に乗ってた頃からの付き合いだから、一体何年前だろうと考えたら背筋が寒くなる。
月日は流れて家庭を持ち、そして家族が増えた彼は、もう昔のようにモトクロスに興じる事も無くなったみたいだけども、今もたまに気の合う友人達と、まったりとしたバイクライフを送ってるみたい。
幸せそうで何よりだ。
私とは、もう土の上でキャッキャしてた頃のようには付き合っては居ないけれども、それでも年賀状は送ってくれたりする、そんな間柄。
彼の名前は『甲子夫』
苗字はともかく、名前は『甲子夫』
さて、彼の名前はなんて読むんだろうか?
そんな事を今更ふと思ったのだ。
かれこれ10年以上も付き合い有るこの人の名前って何て読むんだろうって。
苗字でしか呼んでないので、下の名前は解らない。
今更聞くのも聞きにくい。
ゴミの分別が解らないまま5年程住んでたら、今更近所の人に牛乳パックの処分方法なんて聞けないのと同じく
10年以上も付き合いの有る人に、今更アンタ名前なんて言うのさって事は聞けないのだ。
ふりがな打っててくれないか。
年賀状にはふりがなを。
って言うか、そもそも年賀状見ててふと思ったのだから。
あれ?
この人の名前、なんて読み方するの?
って。
私は調べた。
誰に聞くでもなく、自分で答えを探そうと調べた。
今更周りの人にも聞けないので自分で調べた。
どこかに答えは無いか、どこかに答えの断片は無いかと。
別にそんなに必死に探してた訳でも無いんだけど。
何気なく開いた昔の写真。
まだ私のYZ250Fが鉄パイプフレームだったり、まだ乗ってたR1は下からエキパイが出てたりとか、そんな頃の写真。
ふと見ると、そこに甲子夫の姿が有ったのだ。
まさかの甲子夫。
格好つけて、左手をサムアップさせてる甲子夫の姿がそこに。
私はこの時直感した。
甲子夫の写真を見て、私は全てを悟ったのだ。
こいつは『かしお』だと。
決して『きねお』では無い、奴の名は『かしお』だと。
私は全てを理解し、そう結論つけたのだ。
甲子夫の左手に輝くGショックを見て、全てを理解したのだ。
奴の名は『カシオ』に違い無いのだと。
追伸。
やっぱり『キネオ』と読むらしいけど、そんなの絶対許さないので私は意地でも『カシオ』と心の中で呼び続けてやろうと思う。
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