ライダーの為のお裁縫講座-チェーンステッチ編
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生地の端が解けないように処理するロック。
生地の端が解けないように処理しながら縫い留めるカバーステッチ。
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そして今回は、生地同士を縫い合わせるチェーンステッチ。
家庭用ミシンでのニットソーイングは、この3つを駆使すればかなりのレベルでのお縫製が可能だ。
3つ、と言っても使うのはカバーステッチで使ったミシン。
チェーンステッチはこのミシンで行う。
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家庭用ミシンではこの辺りが一般的。
いわゆる普通のミシンでは、チェーンステッチ出来るミシンは多分無いと思う。
多分ね。
チェーンステッチの用途は普通に縫う事。
ただそれだけ。
ただそれだけ、ってなら普通のミシンで縫えばイイじゃんって思うかも知れないけれど、実は違う、そうじゃない。
上が普通の直線縫い。
下の黒いのがチェーンステッチ。
表側からみたら特に違いは無いのだが...
裏側はこんな事に成ってる。
ステッチの違いは一目瞭然。
チェーンのように環が連なってるからチェーンステッチと呼ばれる。
表から見たら特に違いは無いのだが、普通に伸び伸び生地を縫うとこんな事に成ってしまう。
上がチェーンステッチ、下が普通の直線縫い。
糸はどちらも#60スパン。
さっきまでとは写真の上下が入れ替わっちゃったけど、見ての通り上がチェーンステッチて下が普通の直線縫い。
チェーンステッチの縫い目には有る程度の伸びが有るので、引っ張った時にも生地に追従してくれる。
一方、普通の直線縫いでは糸自体の伸びに依存するのでおのずと限界がある。
まぁ要するに、ニットを伸びる方向に普通に縫ったら切れちゃうよって事。
サイクルパンツの尻が走行中にこんな事に成ったら大惨事だ。
下手したら通報されかねない由々しき自体だ。
下糸にウーリーを使って上糸にレジロンを使うと少しはマシだけど、それでも普通の直線縫いでは伸びに限界が有るので、切れるのも止むを得ない。
って事で、特にニットの伸びる方向への縫製なら、伸縮性の有る縫い目のチェーンステッチが必要な訳。
糸を切りたく無いのなら。
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実際のニット縫製の一つのパターン。
チェーンステッチで縫い止めて、2本針4本糸ロックで生地の端を処理する。
チェーンステッチは色んな場面で使われるが、これが一番シンプルな使い方だろうと思う。
工業用ミシンならこれを1度に出来るミシンが有る。
インターロックとも安全縫いとも言われるミシンがそれ。
チェーンステッチで生地を縫いながら端をロックするので仕事がとても速い。
でも家庭では特に1分1秒を短縮する必要も無いので、最初にチェーンステッチで縫ってからロックしてどうと言う事は無いだろう。
お急ぎの方は工業用ミシンをどうぞ。
ロックミシンの回にも書いたように、ニット生地の縫製はロックミシンだけで済ます事も可能。
実際にそんな縫い方してる服も多い。
だが、ご想像通りにチェーンステッチで生地同士を縫ってやると、ロックミシンだけで済ますよりもかなり強くなる。
縫い目が開いたり、或いは糸一本切れただけで大穴開いたりもしないのでチェーンステッチを入れてやると安心だ。
安全縫いって呼ばれるのはその為だね。
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何でも出来る縫工房ならロックもカバーもインターロックも出来るらしい。
ちょっと高いけれど、場所に限りの有る方なら導入に検討の余地は有りそう。
なお、チェーンステッチの強度はロックよりも強いが普通のミシンで普通に縫った時にはやっぱり及ばない。
伸びには強いが、生地と生地とを縫い合わせる力は普通に縫った時にはやっぱり及ばないのが現実。
したがって、ポケット等には基本的に使わない。
普通はね。
だから伸び伸び生地の縫製と言っても、普通に直線縫いするミシンも勿論必要なのだ。
何の場合も同じく、ミシンもやっぱり適材適所。
全てをロックミシンで、或いはカバーステッチミシンで済ます事は出来ないし、多機能コンピューターミシンでもそれだけじゃやっぱ限界は有る。
じゃぁTシャツやポロシャツを縫うには、ロックとカバーと直線縫いの3台もミシンが要るのかと聞かれたら、ごめんね3台も要るんだよとお答えせざるを得ない悲しい現実にはスマンかった。
でも、まだだ。
実はまだ終わりじゃない。
お裁縫の道は、まだまだ始まったばかりだ。
と言う訳で、需要が有るのか何のかなんて知らない振りを決め込んだこのお裁縫のお話の続きはまたそのうち。